社長の平均年齢が過去最高を更新
2024年のデータによると、日本の社長の平均年齢は60.7歳に達し、34年連続で過去最高を記録しました。この傾向は、経済界における大きな課題となっています。日本全体の社長交代率は3%台に留まっており、社長の高齢化が進行しています。この状況は「2025年問題」と呼ばれる団塊世代の高齢化と直結しており、経営者の疾病や死亡に伴う倒産が増加する懸念が高まっています。
社長の年齢の上昇傾向
社長の平均年齢は1990年以降、毎年上昇し続けています。2024年の北の大地から南の海にかけて、社長の年代構成は「50歳以上」が81.7%を占めています。特に「60歳以上」の社長が51.7%に達しており、社長交代が少ない現状が浮き彫りになっています。一方、30歳未満の社長はわずか0.2%で、30代に至っても2.9%にとどまっています。最近では、スタートアップ企業の若手経営者がメディアに取り上げられる場面も見られますが、全体のトレンドとしては高齢化を強く感じざるを得ません。
業種別・地域別の平均年齢
業種別に見ると、平均年齢が最も高いのは「不動産」で62.8歳、一方で「サービス業」は59.2歳と、業種によってバラツキが見られます。また、秋田県と岩手県が62.6歳で最も高い平均年齢を示し、地域による高齢化の傾向も明らかになりました。特に東北地方では高齢化が著しく、全国平均を上回る状況が続いています。低い平均年齢を持つ地域もあるものの、全体的には「東高西低」の傾向が見受けられ、経営者の高齢化に歯止めがかからない実態がうかがえます。
社長交代の実態
社長の交代経緯についても触れておくべきでしょう。「同族継承」が38.6%と最も多く、次いで「内部昇格」が37.6%を占めています。社長交代の際に、年齢が平均15.9歳若返る結果も見られましたが、その一方で交代率は依然として低迷しているのが現実です。これにより、高齢化の進行が企業に与える影響は徐々に大きくなりつつあります。
事業承継の急務
社長の高齢化が進む中、事業承継に向けた早期の準備が一層必要とされています。中小企業庁の推計では、2025年には70歳を超える中小企業の経営者が約245万人になるとされていますが、そのうち半数が後継者未定という厳しい現実があります。社長交代が進まない中で、今後企業の持続可能性が大きく影響を受ける可能性が高いと言えるでしょう。このような状況を受けて、十分な期間を設けた計画的な事業承継の実施が強く求められています。
社長が高齢になることで「不測の事態」が発生するリスクも増加しており、企業の未来を見据えた準備を怠ることはできません。高齢化が企業に及ぼす影響を真剣に考え、着実な対策を進めていくことが私たちに求められています。