日用品業界の脱炭素化に向けた画期的な取り組み
ユニ・チャーム株式会社は、業界内の他社や資材メーカーと連携し、初めて日用品業界において「一次データ流通基盤」の実証実験をスタートしました。このプロジェクトは、温室効果ガス(GHG)排出量を正確に算定・管理するための革新的な取り組みであり、脱炭素社会の実現を目指しています。
実証実験の目的と意義
この実証実験の主な目的は、GHG排出量算定に必要な一次データを共通プラットフォームで流通させることです。具体的には、日本国内の数多くの日用品メーカーや資材メーカーが参加し、安全で効率的なデータ流通を実現することを目指しています。データの流通によって、業界全体での環境負荷の把握や削減が期待されているのです。
吉本社長は、今回の取り組みが「業界全体のデジタル化を促進し、GX(Green Transformation)およびDX(Digital Transformation)によるGHG排出量の低減に寄与する」と述べています。新たに構築されるデータ基盤は、業界の責任ある企業が脱炭素化を進めるための重要な手段となるでしょう。
参画企業とさらなる展望
本実証実験には、花王株式会社や大王製紙株式会社、ライオン株式会社など、名だたる日用品メーカーに加え、エム・エーライフマテリアルズ株式会社や三菱ケミカルグループ株式会社などの資材メーカーも参加しています。また、NTTコミュニケーションズ株式会社がデータ流通プラットフォームの構築と運用を担当し、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社が全体の事務局を務めます。
実行スケジュール
実証実験は2024年12月の完了を目指して進められています。具体的スケジュールは以下の通りです:
- - 2024年7月~9月:関係者が集まり、システムに必要な要件や課題を協議します。
- - 2024年10月:一次データをプラットフォーム上で流通させる実験が開始されます。
- - 2024年12月:実証実験が終了し、結果を評価した後、次のステップについて議論されます。
- - 2025年以降:得られた成果を社会に公表し、広域にわたるデータ流通の実現を目指します。
データ流通の新たなアプローチ
本実証実験の特徴は、従来の中央集権的なデータベースの構造を脱し、「分散型」のデータ流通を導入することです。この方式により、データ提供者は、流通基盤管理者にデータを提供する必要がなくなり、高い秘匿性が確保されます。データは提供者から指定先にのみ保存され、その安全性を実証することが目的とされています。
この取り組みは、業界の透明性を高めるだけでなく、企業が責任ある行動を取るための基盤を提供することが期待されています。今日の環境問題に対する企業の対応が注目される中、ユニ・チャームとそのパートナー企業による挑戦がどのような成果をもたらすのか、注視されます。
結論
日用品業界が一丸となって取り組むこの実証実験は、GHG排出量の算定と管理の新たな地平を切り開くことが期待されます。企業が共に進むことで、持続可能な未来に向けた一歩となることを願います。今後の進展に大いに注目していきたいと思います。