ispace、ミッション2の月面着陸を発表
株式会社ispaceは、2025年6月6日午前4時24分(日本時間)に月面着陸を予定しているミッション2の進捗を公式に報告しました。このミッションは、2025年1月15日に打ち上げられ、現在は着陸に向けた航行を続けています。昨年までのミッション1の経験を活かし、より効率的な運用が進められています。
着陸予定日時と地点
ミッション2の着陸は、氷の海(Mare Frigoris)中央付近で行われる予定です。着陸可能日は、現在のところ6月6日午前4時24分に設定されていますが、運用状況によっては、6月8日までの間に変更されることもあります。バックアップ地点も設定されており、十分な柔軟性を持った運用が行われています。
中間報告会の様子
東京・日本橋にあるHAKUTO-Rミッション・コントロール・センターで行われた中間報告会では、代表取締役CEOの袴田武史氏が進捗状況を発表しました。ミッションの運用状況をメディアに公開することは珍しく、公式YouTubeチャンネルやSNSを通じても中継されました。このミッションでは、事前に設定された10段階のマイルストーンのうち、すでに5つを達成し、深宇宙での航行を確実に進めています。
順調な運用状況
ミッション2の各種サブシステムの状態は良好で、異常なしと確認されています。特に注目すべき点は、以下の各項目です:
- - 構造:打ち上げ時の過酷な状況にも耐えられることが確認され、着陸機の脚部も正常に展開しました。
- - 熱制御:ヒーターの消費電力は想定内で、正常に熱環境が維持されています。
- - 推進系:これまでに6回の軌道制御マヌーバを成功させており、推進剤の消費も計画通りです。
- - 通信:安定したデータの送受信を行っており、必要な情報を的確に送信しています。
また、搭載ているペイロードも順調に運行しており、今後の軌道制御運用も計画通りに進められているため、Mission 2は欠かさず進捗しています。
今後の展望
2025年6月の月面着陸を見据え、ispaceの運用チームは日々挑戦を続けています。特に、4月24日頃には重要な軌道制御マヌーバを予定し、5月6日には月重力圏に到達する予定です。これからも、ミッションの精度を高めることで、次なる商業化ミッションへの足掛かりを築いていく計画です。
袴田武史のコメント
袴田氏は「ミッション2の運用がスムーズに進行していることに感謝し、残るマイルストーンの達成に向けて全力で取り組む」と意気込みを語りました。ispaceの取り組みは、今後の宇宙ビジネスの新たな道を切り開くことでしょう。
会社情報
ispaceは日本を拠点に、文化や多様性を活かして宇宙開発に取り組むスタートアップ企業です。未来のビジョンは「人類の生活圏を宇宙に広げ、持続可能な世界を実現すること」であり、特に月面での資源開発に力を入れています。同社は多国籍チームで構成され、今後もさまざまなミッションを通じ、宇宙ビジネスの進化をサポートしていきます。