米国に空調機器用圧縮機の新工場設立
三菱電機株式会社は、米国の市場における需要の高まりを受け、空調冷熱システムの事業を強化するために、新たに空調機器用圧縮機の製造を行う工場を設立しました。この工場は、米国の持株会社であるMitsubishi Electric US Holdings, Inc.の傘下に新たに設立された企業、MELCO HVAC US, Inc.によって運営されます。
143.5百万ドルの設備投資
新たに設立される工場は、約143.5百万米ドルという相当な投資を行い、ケンタッキー州メイズビルにある既存の自動車電装品製造拠点を転用する形式で運営されます。この移行により、米国市場における消費地生産体制の強化が期待されています。
グローバル市場の拡大
空調冷熱システムのグローバル市場は、省エネルギーや低いGWP冷媒の導入に伴い、今後も需要が増加すると予測されています。この背景のもと、三菱電機は空調冷熱システム事業を会社の主要な成長エリアとして位置づけ、地元での開発・生産体制を一層強化していく方針です。
米国市場での競争力向上
三菱電機は、1980年から米国で事業を展開しており、2018年にはダクトレス空調機の製造を目的とした合弁会社を設立しています。この取り組みにより、販売網を拡充し、顧客に対するきめ細やかなサービスを提供することで競争力を高めてきました。今回の新工場設立により、空調機器用圧縮機の開発・生産を強化し、米国事業基盤のさらなる強化を目指しています。
安定した製品供給を実現
新工場の開設に伴い、年間100万台を生産する能力が見込まれています。この生産能力の拡充により、需要の変動に対応した柔軟な生産体制を構築し、リードタイムの短縮にもつなげていく計画です。また、現地顧客のニーズに応える製品の投入と、三菱電機が持つ幅広い技術とソリューションを活用することで、米国市場での影響力を拡大していくことを目指します。
補助金の活用
新会社MEHVACは、空調機器用圧縮機の製造工場設立にあたり、米国連邦政府エネルギー省から50百万ドルの補助金を受ける予定です。さらに、ケンタッキー州の経済補助制度も併せて利用し、効率的な成長を図ります。
脱炭素化とSDGsへの取り組み
MEHVACは、環境負荷軽減のための取り組みも行います。省エネ機器や断熱強化を導入し、CO2排出の抑制をしています。また、太陽光パネルの設置を通じて、持続可能な開発目標(SDGs)にも寄与していく計画です。
このように、三菱電機は米国における空調冷熱システム事業を中心に、自社の競争力を高めながら、より良い未来に向けた取り組みを進めています。新会社MEHVACの設立は、これからの成長市場での存在感をさらに増す一歩となるでしょう。