地域に根ざした奈良屋本店のSDGsへの取り組みと奈良漬の未来

奈良屋本店は、奈良県奈良市で奈良漬の製造と販売を行う企業です。当社は「地産地消」をテーマに掲げ、地元で収穫された野菜を用いて奈良漬を製造しています。このような地域への強いこだわりをもって、持続可能な開発目標（SDGs）達成に向けた宣言を2022年8月18日に行いました。

エネルギーの地域循環

奈良漬の生産過程では、どうしても使用済の原材料が生じてしまいますが、奈良屋本店ではこれらを単なる廃棄物として処理するのではなく、バイオマス発電の燃料として有効活用することを研究しています。この取り組みは、地域におけるエネルギーの循環をサポートし、サーキュラーエコノミーの実現を目指しています。

地元産原料へのこだわり

奈良屋本店では、奈良の伝統食品である奈良漬の製造にあたり、約20年前から地元奈良県産の原材料の確保に注力してきました。当初、奈良漬製造には地元産の素材がほとんど使用されていなかったため、その状況を変えるために地元農家との取引をスタートする際には多くの困難が伴いました。しかし、「自分たちが育てた農作物が地元の伝統的な食品である奈良漬として利用されるのは嬉しい」との反響を得たことで、徐々に地元産の原材料を取り入れることが可能になりました。これにより、地元の農業が活性化し、また、従業員も非常に誇りを持って仕事に取り組むことができています。

技術革新と品質管理

奈良漬の製造方法に関しても、過去の職人の「勘」に依存していた部分を改善することが求められています。奈良屋本店では、製造過程におけるデータの収集と分析を進め、安定した品質の製品を保証する取り組みを行っています。2022年9月現在、当社は奈良県で唯一、JAS認証を取得した奈良漬製造業者となりました。この取り組みは、品質の安定だけでなく、衛生管理の厳格化にも寄与しています。