90歳を超えても進化し続ける!上田薫と上田葉子の「クリエイティブ・エイジング」展
東京都美術館では、2024年7月30日(火)から8月11日(日)まで、「アート・コミュニケーション事業を体験する 2024 「ずっと」アートと生きていく-上田薫と上田葉子の生き方に学ぶ、クリエイティブ・エイジング」を開催します。
本展では、96歳を迎える画家・上田薫と、キルト作家・上田葉子の夫婦による作品を展示。二人の創作活動を通して、年齢を重ねても創造性を活かす「クリエイティブ・エイジング」という生き方を考えます。
上田薫は、写真を使った写実表現で知られていますが、近年は心不全やコロナ禍の影響で油彩画を描くのが難しくなり、色鉛筆でスケッチをするようになりました。それでも、新たな表現に挑戦し続ける彼の姿勢は、年齢を重ねても創造性を諦めないことの大切さを教えてくれます。
一方、上田葉子は、キルト作家として、色彩豊かな作品を制作しています。彼女の作品は、医療施設などでも活用され、ヒーリングアートとしても注目されています。
本展では、二人の作品に加えて、東京都美術館が取り組む高齢者向けアートプログラム「Creative Ageing ずっとび」や、国内外の美術館における高齢者向けプログラムの事例も紹介。超高齢社会における美術館の役割や、アートが人生に与える影響について考える機会を提供します。
みどころ
1. 上田薫と上田葉子の作品が響き合う
40代で独自の写実表現を確立し、90歳を超えても進化し続ける上田薫と、キルト作家として活躍する上田葉子の作品を展示。二人の作品は、夫婦としての暮らしや支え合いと深く関わっており、互いに影響を与え合いながら制作を続けてきたことがわかります。
二人の作品を通して、年齢を重ねても創造性を活かすこと、そして、大切な人と支え合うことの大切さを改めて感じることができます。
2. 超高齢社会に対応する美術館の事例を紹介
高齢化が進む社会において、美術館はどのような役割を果たせるのか。本展では、国内外の美術館における高齢者向けプログラムの事例を紹介します。
ナショナル・ミュージアムズ・リバプール「ハウス・オブ・メモリーズ」(2012年~)
国立台湾博物館×台北市立連合病院「認知症患者にやさしい博物館処方箋」(2019年~)
東京都美術館と東京藝術大学が連携して進める「Creative Ageing ずっとび」(2021年~)
これらの事例を通して、美術館が健康や福祉に貢献できる可能性を探ります。
3. アート・コミュニケータが来場者を迎える
会場には、東京都美術館×東京藝術大学 とびらプロジェクトで活動するアート・コミュニケータ(愛称:とびラー)が常駐。とびラーと一緒に作品を鑑賞することで、作品をより深く理解することができます。
4. 関連プログラムを開催
展覧会をさらに楽しむための関連プログラムとして、ギャラリートークやアーティストトーク、ワークショップなどを開催します。
担当学芸員によるギャラリートーク(2024年7月30日)
アーティストトーク(2024年8月3日)
ワークショップ「布と糸でウミウシを作ろう!」(2024年8月10日)
これらのプログラムを通して、上田薫と上田葉子の作品について、さらに深く知ることができます。
まとめ
本展は、年齢を重ねても創造性を活かす「クリエイティブ・エイジング」という生き方を考える、貴重な機会です。上田薫と上田葉子の作品を通して、人生の豊かさについて考えてみてはいかがでしょうか。