第8回「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」入賞作品発表
2024年2月20日(木)から、昨年11月に行われた「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」に基づく川柳コンテストの入賞作品が公開されます。この催しは、薬剤耐性の問題を身近に感じてもらい、関心を高めることを目的としたものです。
今回の募集には、全国から1,512作品もの応募があり、選考の結果、一般部門から金賞と銀賞各1作品、医療従事者部門から金賞と銀賞各1作品、さらに両部門から「いいね賞」1作品と佳作11作品が選ばれました。
受賞作品は、AMR情報サイトにて公開される予定で、特に注目されるのは、ウイルスによる感染症の増加に対する意識の高まりを反映した作品です。これまで、抗菌薬がインフルエンザや風邪に有効だと考えられている方が多くいましたが、最近の入賞作品は、ウイルスに抗菌薬が無効であることを意識した作品が多く見受けられました。また、医師への期待が込められた川柳も金賞に選ばれ、医療者とのコミュニケーションが重視されています。
このような川柳を通して、正しい知識の普及が進み、患者さん自身が抗菌薬の使用について理解し周囲に伝える動きが広がっていることを嬉しく思います。繰り返される感染症の流行に対し、医療としての対応策や患者さんの理解を深めることが、薬剤耐性対策において重要です。
感染症は年々多様化し、昨年末から今年にかけてはインフルエンザ、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどの流行が観察されています。これに伴い、抗菌薬の不適切な使用がさらに問題視されています。世界保健機関(WHO)の報告によると、抗菌薬の不適切な使用は、長期的に見ると高所得国において多くの命を脅かす可能性があることが示されています。
日本においては、毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」と定め、さまざまな啓発活動を行っています。この活動を通じて、多くの人々に薬剤耐性の問題を理解してもらうことが目指されており、川柳もその一環として位置づけられています。
今回の川柳募集が成功に終わったのも、参加者の皆様がそれぞれの想いを言葉にしてくださったからです。医療従事者だけでなく、一般市民にもこの活動が広まり、薬剤耐性に関する理解が深まることを期待しています。これからも、このような小さな活動が継続され、社会全体に薬剤耐性問題の重要性が浸透していくことを願っています。今後も、川柳作品をさまざまな形で活用し、AMR対策を更に推進していく所存です。
国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター
センター長 大曲貴夫
公募期間: 2024年11月1日-2024年11月30日
入賞者には賞状と記念品を送付します。
作品の著作権は、国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンターに帰属します。無断転載・使用はご遠慮ください。
入賞作品は、当センターのホームページやSNS、報道資料等で使用します。