大阪・関西万博にて環境意識を高める新たな公共家具「MOF Bench」
大阪・関西万博が盛況に開催される中、特に注目を浴びているのが、株式会社ExtraBoldが設計した「MOF Bench」です。このベンチは、CO₂を吸着する新素材MOFを利用した持続可能なデザインとして、大阪のヘルスケアパビリオンで展示され、訪れる人々に環境意識の重要性を伝えています。
新素材MOFの活用
MOF(Metal-Organic Framework)は、金属と有機配位子から構成される多孔性材料で、非常に高い表面積を持ち、その構造の特性を生かして空気中のCO₂を吸着する能力に優れています。この「MOF Bench」は、その特性を最大限に活かす形で設計されました。
デザインは名古屋市立大学の影山友章准教授が担当。植物の葉を模した形状で、葉脈部分にはSyncMOFの開発した青いMOFが埋め込まれており、CO₂を効率よく吸着します。このベンチは単なる展示物ではなく、実際に座れる公共の場に設置されることで、環境メッセージを体現しています。
短期間でのものづくり
このプロジェクトの実現には、短期間での設計と製造が求められましたが、ExtraBoldやSyncMOF、相合家具製作所といった異分野の企業が連携し、約1カ月というスピードでプロダクト設計から製造までを完了。こうしたスピード感のある共同作業は、特に高品質な製品を求める現代のビジネス環境において、新たなモデルとなるでしょう。
環境課題への挑戦
ExtraBoldは、BOLDGYM ACADEMYという法人向けのものづくりトレーニングジムを運営しており、環境課題に取り組むために多様な分野の企業と共創プロジェクトを推進しています。「MOF Bench」も、その一環として実現したプロジェクトです。エコロジーとテクノロジーが融合したこのベンチは、未来の持続可能な社会への道を示す象徴的なプロダクトです。
来場者へのメッセージ
「MOF Bench」は、大阪・関西万博の来場者が休憩できるスペースとしても利用されています。人々がここに座り、訪れた思い出を振り返る中で、環境への意識が芽生えていくことが期待されています。このように、実際に人々が使用することで環境問題についての対話を促進し、未来のビジョンを共有することができるのです。
未来への展望
ExtraBoldは今後も、環境課題を解決するためのプロジェクトを続け、BOLDGYM ACADEMYを通じてさらなる共創成果物を生み出していきます。また、現時点で第一期会員を募集しており、環境問題解決に興味を持つ企業に新たな機会を提供しています。
大阪・関西万博に設置されたこのベンチは、ただの家具ではなく、環境の未来に対する重要な問いかけを行っています。私たち一人ひとりがこの取り組みを見逃すことなく、サステナブルな社会に向けての一歩を踏み出すことが求められています。