2025年秋冬最新調査: 未成年のAI利用の現状
株式会社Awarefy(アウェアファイ)が「こころの総合研究所」と共に実施した最新の調査結果が発表されました。この調査では、未成年(18歳未満)を持つ保護者を対象に、子供の対話型生成AIの利用に関する実態を明らかにしています。
調査の概要
2025年9月に行われたアンケート調査で、未成年の子どもから見た対話型生成AI(ChatGPTやGeminiなど)の利用状況や、保護者が感じる影響や懸念について調査しました。調査結果では、未成年の35.6%が生成AIを利用していることが分かりました。
主な調査結果
1.
未成年の3人に1人がAIを利用: 調査に応じた未成年の保護者326名のうち、35.6%が子供が対話型生成AIを利用した経験があると回答しました。特に中学生以上では、この割合が半数を超えることが報告されています。最も若い利用者は1歳でしたが、これは利用規約で禁止されている13歳未満の利用者も含まれています。
2.
利用頻度の高さ: AIを利用する子どものうち、半数以上が週1回以上利用しており、特に多くみられた利用頻度は週2回以上です。学習や調査目的で「特定のテーマについて情報を集める」という利用が著しく多く、「雑談」など話し相手として使われる場面も見受けられます。
3.
契約形態の現状: 学外での個人利用が約80%を占め、学校で支給された環境はわずか2.4%しかありません。このことから、学校の管理外でAIが利用されることが主流であると証明されています。
保護者の懸念と受け止め方
多くの保護者は、子供のAI利用について「特に影響はない」とする反応が見られる中、約10%の保護者からは「不安」に感じた瞬間があったという声も上がっています。その具体例として、「個人情報を安易に入力してしまう」や「間違った情報を鵜呑みにしてしまう」といった懸念が寄せられました。
これらの不安から、保護者は「AIとのやりとりのモニタリング」や「有害なコンテンツへのアクセス制限」といった対策を求める声が上がっています。
課題と今後の展望
現在、文部科学省は生成AIの教育現場での活用についてガイドラインを策定していますが、学外での利用に関してはまだ対策が不十分です。学外での生成AIの利用は増加し続けており、そのリスクと対策への理解を深めることが急務です。
専門家の指摘によると、未成年者のAI利用は大人と違う影響をもたらす可能性が高いとされています。このため、子ども向けに設計されたAIシステムの開発が求められます。アウェアファイでも、今後は保護者の同意を得ることを基本に、利用者の年齢に応じた注意喚起を強化する施策を考えるとしています。また、これまでの調査結果を基に、今後もAIと人との新しい関係性を探求し、より安全な社会の実現を目指すことを宣言しています。
この調査は、AI利用が急増する中で子どもたちの心のケアに関する新たな課題を浮かび上がらせる重要な資料です。
この調査結果は、現在の未成年者におけるAIの影響や懸念についての背景を考える上で的重要な情報を提供しており、社会全体でのさらなるディスカッションが必要です。