多文化共生の新たなカタチ
東京都目黒区を拠点とする特定非営利活動法人アジア人文文化交流促進協会(略称:JII)は、2025年2月17日から新たな支援事業「スポットおとなりさん」を開始します。このプログラムは、外国人住民が日常生活で直面するさまざまな困難を地域のボランティアがワンタイムで支援するものです。
背景と目的
JIIは、2020年に日本初の「おとなりさん・ファミリーフレンド・プログラム(OFP)」を立ち上げ、日本人ボランティアが近隣の外国人住民とペアを組み、生活情報や言語学習をサポートしてきました。これにより、両者の交流が深まり、外国人住民が日本社会にスムーズに適応できるようになることを目指しました。
そして、ウクライナの難民支援を通じて、一般の外国人住民にも多様な生活での苦労があることが明らかになり、この「スポットおとなりさん」の計画が生まれました。この新しいプログラムでは、生活インフラ、医療、教育や行政手続きに関連する困りごとに対して、地域の住民が単発支援を行います。具体的な例としては、役所や病院への同行、子どもの健康診断時の支援などが含まれます。
支援の仕組み
「スポットおとなりさん」は、纏まったサポートを地域のコミュニティに根付かせることを重視しています。支援は原則登録済みの外国人住民に向けて提供され、手続きはJIIの公式ホームページを通じて行います。ボランティアの交通費や振込手数料は依頼者が負担しますが、基本的な支援は無償です。この取り組みの魅力は、短時間で気軽に参加できることと、多くの外国人と接しながらスキルを磨けることです。
地域との連携
このプログラムに参加するボランティアは、地域住民として「自分ができることを誰かのために」と考える人々です。OFPの累計参加者数は1400名以上に達しました。90%を超える成功率も誇るこのプログラムは、日本での生活に亀裂が入ったと感じる外国人住民にとって信頼できるサポーターとなるでしょう。
優れた支援体制
支援を行うボランティアは、JIIが責任を持って選考し、活動前に必要な情報提供と研修を受けた後、サポートにあたります。JIIの立ち上げたスポットおとなりさんは、行政や企業との連携を進めることで、より多様性のある多文化共生社会を築くきっかけとなるでしょう。
今後の展望
JIIは、「助けるだけでなくつながる」という理念のもと、日本人と外国人住民が相互に助け合い、学び合う環境を整備していきます。今後、より多くの外国人と日本人が交流し、多文化共生の重要性を実感することで、対立や誤解を解消し、心地よい地域社会を構築していくことを目指します。
人と人とがつながる場を作り出し、地域に根付いた新たな支援システムが確立されることで、今後の日本はさらに多様な文化を受け入れる準備が整うことでしょう。