地域再生の新たな挑戦！株式会社ツカリマクリの温泉革命

株式会社ツカリマクリは、東京都渋谷区を拠点とし、最近東京理科大学発のスタートアップとして認定されました。この新しい挑戦は、地域の伝統的な「旅館」を救うために、発想力とテクノロジーを用いて価値を再創造することを目指しています。

失われゆく地域の宝、旅館

コロナ禍の影響により、旅行のスタイルは団体から個人への移行が進み、伝統的な宿泊施設である旅館は厳しい局面に直面しています。実際、2000年から2018年の間に旅館の数は42%も減少しており、地域経済にも多大な影響を与えています。この状況を打破するために、ツカリマクリは日本が誇る「温泉」に光を当てています。

株式会社ツカリマクリの挑戦

同社が注力しているのが「温泉濃縮技術」です。この技術は、温泉の99.9%を占める水分を蒸発させ、残された有効成分だけを抽出するもの。これにより、運搬コストを大幅に削減し「本物の温泉」を物理的制約無く届けられるようになります。

また、第一弾のプロダクトとして、全国の温泉旅館と提携し、現地製造の「濃縮温泉入浴剤」を展開します。この入浴剤は化学成分を使用せず、まさに「本物の温泉体験」を家で楽しむことができ、旅行が難しい高齢者や多忙なビジネスパーソンにも癒しを提供します。

今後の展望

ツカリマクリはまず入浴剤市場での実績を積んでいく方針ですが、将来的には濃縮温泉を活用した飲料水や化粧品の展開も計画中です。また、政府のインバウンド戦略とも連携し、海外の富裕層やスパへの越境ECの展開も視野に入れています。

代表の熱い思い

代表取締役社長の池添弘規氏は、リクルート『じゃらん』での経験や自身のSaaS企業経営を通じて、地方の旅館が抱えるポテンシャルを目にしてきました。「温泉文化を廃れさせたくない」という思いから企業を立ち上げ、「本物の温泉体験」を多くの人に届けるライトとなりたいと語ります。その体験がきっかけで、現地を訪れる人が増えることで地域全体を元気にするサイクルを生み出すことを目指しています。