藤嶋咲子個展「WRONG HERO」のご紹介
現代アーティスト、藤嶋咲子が新たに発表する個展「WRONG HERO」が、2024年10月19日から27日まで東京・港区にあるアートギャラリー「9s Gallery」にて開催されます。本展では、社会に埋もれた声を可視化する新作を体験することができます。
この個展は、過去多くの女性がドキュメントとして残せなかった、あるいはその声が埋もれてしまったという歴史を、現代アートの面から問い直すものです。アーティストは、「長男優先」やジェンダーの押し付けに関するアンケート調査をSNSで行い、多くの声を収集。それらの声をゲームとアートの形式で具現化し、「WRONG HERO」という作品を展開します。
個展の中心となる作品「WRONG HERO」では、自己を表現するための選択をした女性が主人公になっています。彼女は、ただ「主人公」の物語を補完する脇役ではなく、自らが勇者となり、村人との対話を通じて新たな役割を見出していくのです。この試みは、社会に根付く固定観念や無意識の偏見に対する挑戦でもあります。
アートに込められたメッセージ
藤嶋は、そしてこの作品を通じて「役割の選択肢」を観客に問いかけているのです。多くの場合、人々は社会から与えられた役割に偏見を抱いて生きていますが、果たしてその役割だけが本当に必要なのでしょうか?彼女の描く世界に触れることで、観客は見えない抑圧に気づくことができるかもしれません。
展示された作品の一つは、視覚的に雰囲気を変化させるシステムを利用して、観客が自身の選択をまで体験できるインタラクティブなものです。藤嶋は、ビデオゲームの形式を通じて、参加者に積極的に体験させ、他者の声を聞くことに始まる新たなコミュニケーションを促します。
社会的課題に対するアプローチ
藤嶋は、現代社会における多様な声を捉え、それをアートの形式に変えることで、個々の現実を反映させようとしています。特に、彼女は自らがプレイしたビデオゲームの中で、主人公が男性ばかりであったことに疑問を感じていました。この体験が、その後の作品制作に影響を与えています。男性の役割が強調される中で、女性がどう戦い、どう社会のルールを乗り越えていくかを描くこと、それが「WRONG HERO」の核心にあります。
本展では、プレイヤーが主人公の視点でNPCとの対話ができ、個々の言葉をどのように受け止めて改善するのかを体験すると同時に、そうした取り組みがもたらす社会へのインパクトにも注目が集まります。
開催情報
この特別な展示会は、2024年10月19日から27日まで、9s Galleryにて行われます。営業時間は12時から19時までで、オープニングパーティーは19日の午後4時から6時まで開催されます。訪れることによって、アートの新たな一面に触れ、自分自身の役割について考える機会になるでしょう。ぜひ皆さんもお越しください。