ファイテックが支援物資を寄贈
2023年3月1日、岩手県大船渡市で発生した大規模な山林火災に対し、株式会社ファイテックが支援物資を寄贈した。この火災は平成以降最大規模の被害をもたらし、多くの住民が避難を余儀なくされた。
ファイテックは、消火剤の製造に特化した企業として、災害発生時に迅速な支援が求められることを理解し、特に注目される消火剤「FOREST DEFENDER」を1,000L(約100トンの水に相当)寄贈した。この製品は森林火災に対応するために開発されたものであり、消火活動の効果を高めるための先進的な技術が導入されている。
支援物資の詳細
さらに、ファイテックは3月5日から8日にかけて消火活動に従事する消防隊員への追加のバックアップとして、合計1,744個のカップラーメンを寄贈した。このカップラーメンは、大船渡市内の複数の拠点に配布され、忙しい消火活動の合間に暖かい食事を提供する目的で用意された。
具体的には、以下のような配分で寄贈された:
- - 大船渡消防署:204個(17ケース)
- - 夢アリーナたかた:540個(27ケース)
- - 釜石市市民体育館:480個(24ケース)
- - 気仙沼市総合体育館:360個(18ケース)
- - 住田町社会体育館:160個(8ケース)
過酷な環境での消火活動に従事する消防隊員たちは、日中は山を登って消火に奔走し、夜間は体育館で寝泊まりを余儀なくされている。そのような状況の中、ファイテックの支援物資は非常にありがたい存在であると言えるだろう。
FOREST DEFENDERの特長
「FOREST DEFENDER」は、森林火災に特化した消火剤として多くの期待が寄せられている。水で1~6%に希釈して散布することが可能で、非常に高い消火能力を誇る。また、従来の消火剤に比べて優れた難燃性能を持ち、効果的に火災の拡大を防ぐことができる。特に、海水でも問題なく使用できる耐塩性能も大きな特徴だ。
環境への配慮もなされており、界面活性剤を使用せず、植物に対しても悪影響を及ぼさない成分が使用されている。これにより、消火活動を行う地域の生態系にも優しい製品となっている。
消火活動の未来
ファイテックは今後も、災害時における支援活動を継続し、防災・減災の技術開発に力を注ぐ意向を示している。特に、これまでの経験を生かし、各地の災害対応に寄与するための取り組みを積極的に行うという。過去には栃木県足利市の火災でも「FOREST DEFENDER」を寄贈し、成果をあげている。
日本火災学会に論文が掲載されたこともあり、その能力は高く評価されている。さらに、ファイテックが開発した「FEI(Fitech Easy Injection)」システムは、陸上自衛隊との共同開発により、新たな空中消火活動の技術として期待されている。
まとめ
被災地の復興には時間がかかるが、ファイテックのような企業の支援が救いになる。消火活動に従事する方々や、その家族、そして地域住民にとって、心強い存在になり得る。被災された方々の一日も早い復興を心より願うばかりである。