書家ハシグチリンタロウ個展「しるしの黎明」が京都で開幕
京都のランドマーク的存在である京都蔦屋書店にて、書家ハシグチリンタロウ氏の個展「しるしの黎明 -dawn of sign-」が開催されます。2024年12月6日(金)から12月25日(水)までの会期で、5Fエキシビションスペースにて開催される本展では、ハシグチ氏が長年探求を続ける「書くこと」の本質に迫る、力強くも繊細な作品群が展示されます。
「書く」とは何か?情報伝達の起源に迫る作品世界
ハシグチ氏は、「書くこととは一体何か?」という問いに向き合い、創作活動を続けています。近年では、「WRITE」と「LIGHT」を組み合わせた造語「WLIGHTE」をテーマに、独自の表現を追求。本展では、その集大成ともいえる作品群を通して、文字が生まれる以前の情報伝達手段である「記号」や、言葉の起源を探る試みを見ることができます。
個展の見どころ
メインビジュアルとなる大作「telephonix(テレフォニックス)」は、空気を伝わる音声に着想を得た作品。まるで黒い文字の生き物が飛び出すようなダイナミックな表現は、ハシグチ氏の圧倒的な表現力を感じさせます。
さらに、1000年後の未来に現代の文字がどう伝わるのかを想像して制作された「謎の本」の断片や、同書に登場する謎めいたキャラクター「MADDRUNKER(マッドドランカー)」、かつての作業場だったパチンコ屋で着想を得た「tama SEE Nation」シリーズなど、多様な作品が展示されます。これらの作品を通して、ハシグチ氏の想像力と創造性が存分に発揮されています。
アーティストステートメントからの抜粋
ハシグチ氏は自身のアーティストステートメントで、「遥か昔」の人類が文明を進歩させる過程で失ってしまった様々なもの、そして文字や記号の原点への憧憬や懐かしさを表現しています。現代の文字が単なる記号になってしまった現状に対し、ハシグチ氏は、大判の紙に墨汁とタオルを用いた独特の手法で、文字の中に黎明期のしるしの生態を見出そうとしています。
ハシグチリンタロウ氏プロフィール
1985年長崎県生まれのハシグチリンタロウ氏は、書家であり、WLIGHTERとしても活動。10代のパンクロック体験から得た表現への情熱と、戦後の前衛芸術運動、特に井上有一氏の思想に影響を受け、独自の書の世界を築き上げてきました。安価なタオルを筆記具として使い、高速で作品を仕上げるスタイルは、現代社会において異質な存在感を放ち、多くの人の注目を集めています。
個展情報
展覧会名: ハシグチリンタロウ個展「しるしの黎明 -dawn of sign-」
会期: 2024年12月6日(金)~12月25日(水)
時間: 11:00~20:00 (最終日18:00閉場)
会場: 京都 蔦屋書店 5F エキシビションスペース
入場: 無料
レセプションパーティー: 12月7日(土) 15:00~ (どなたでも参加可能)
販売: 会場、OIL by 美術手帖にて作品販売あり
この機会に、ハシグチリンタロウ氏の独自の世界観に触れてみてはいかがでしょうか。