タイの農業と環境を救う！Green CarbonのAWDプロジェクトが初の認証を受ける

タイの農業と環境を救うAWDプロジェクト

Green Carbon株式会社（以下、グリーンカーボン）が展開する水田でのメタンガス削減に向けた間断灌漑（AWD）プロジェクトが、タイ政府の高品質ボランタリークレジット制度「Premium T-VER」に日本企業初の最大規模で正式に認証されました。このプロジェクトは農業と環境の両面で持続可能性を模索する重要な一歩です。

プロジェクトの背景と目的

グリーンカーボンは、環境に配慮したカーボンクレジットの創出を目指し、さまざまなプロジェクトを手がけています。特に注目すべきは、タイ北部のカムペーンペット県で実施されているAWD技術を取り入れたメタンガス削減プロジェクトです。タイでは、農業が国家経済にとって重要な役割を果たしており、農業由来の温室効果ガスの削減が喫緊の課題となっています。

このプロジェクトの目的は、農業用水の効率的な利用を促進し、農家の収益性を高めながら、同時にメタンガスの排出を削減することです。AWD技術は水の管理方法として、稲作水田の水位をコントロールし、自然乾燥と入水を交互に行うことで、水資源の節約が可能です。

Premium T-VER制度について

タイの「Premium T-VER」は、国際基準に基づく厳密なモニタリングを通じて、信頼性の高いカーボンクレジットを発行する制度です。この認証を受けたことで、グリーンカーボンのAWDプロジェクトは、タイ国内でのカーボンクレジット市場の活性化に大きく貢献することが期待されています。

プロジェクトの進捗と今後の展望

既にこのプロジェクトはパイロット実証を終え、拡大に向けて準備が整いました。グリーンカーボンは、今後、タイ国内の複数の地域に展開し、2025年までに8つの新たなパイロットプロジェクトを始める計画です。主要農業県であるPhitsanulokやAyutthaya、Nakhon Ratchasimaでの展開を目指し、150万ヘクタール規模まで成長させることを目指します。

さらに、グリーンカーボンはタイ支社の設立を計画しており、現地の企業や政府機関との協力を通じて、アジア最大級の水田由来脱炭素プロジェクトを確立する路線を描いています。

環境保護と経済成長の両立

「私たちは、単にカーボンクレジットを発行するだけでなく、地域社会に貢献することも重要視しています」と代表の大北潤氏は述べています。農業分野の温室効果ガス排出は、タイの気候変動戦略において最重要課題です。グリーンカーボンのAWDプロジェクトは、環境保護だけではなく、農業と経済の成長を両立させる新しいモデルを構築することを目指しています。

企業としての位置づけ

グリーンカーボンは、「生命の力で地球を救う」をビジョンに掲げ、環境に優しいビジネスを展開中です。現在、カーボンクレジットの創出から販売、農業関連事業、ESGコンサルティングまで、幅広いサービスを提供しています。国内外での環境貢献を目指す同社の取り組みは、今後も注目を集めることでしょう。

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