尿路上皮がん診断の未来
2024-01-26 12:00:02

尿路上皮がん診断の革新目指す!BioPhenoMAと東京医科大学が共同研究契約を締結

尿路上皮がん診断の負担軽減へ:BioPhenoMAと東京医科大学が共同研究



膀胱がんの約90%を占める尿路上皮がんは、転移した場合の5年生存率がわずか5%と、予後不良の疾患です。早期発見が重要となる一方、現状の診断方法である膀胱内視鏡検査や尿管鏡検査は、患者にとって身体的・精神的な負担が大きいのが現実です。特に、上部尿路上皮がんの診断では、麻酔が必要な場合もあり、患者の苦痛は深刻な問題となっています。

この課題解決に向け、革新的な動きが生まれました。バイオテクノロジー企業のBioPhenoMA社と、歴史ある東京医科大学が共同研究契約を締結し、尿路上皮がんの低侵襲で高精度な新規バイオマーカー開発に乗り出したのです。

BioPhenoMA社は、早稲田大学伊藤悦朗教授らが開発した極微量タンパク質検出技術「TN-cyclon™」を基盤とするスタートアップ企業です。同社の技術は、尿中やエクソソーム(細胞外小胞)に含まれる極微量タンパク質の検出・定量に特化しており、この技術を活かすことで、尿検査だけで尿路上皮がんを早期に、そして負担の少ない方法で発見できる可能性を秘めています。

東京医科大学は、100年以上の歴史を持つ私立医科大学として、高度な医療と研究を両立させています。近年は「患者に優しい医療」の実現を目指し、低侵襲医療に関する研究開発に力を入れており、今回の共同研究は、その取り組みの一環として位置付けられます。

本共同研究では、尿中タンパク質を分析することで、尿路上皮がんを早期に、しかも患者への負担を軽減した方法で診断できる新たなバイオマーカーの開発を目指します。もし成功すれば、従来の検査の一部を代替し、多くの患者さんの苦痛を軽減することにつながるでしょう。

BioPhenoMA社は、昨年11月の生物物理学会で、抗がん剤治療後の細胞から分泌されるエクソソーム内の極微量タンパク質(GRP78)を検出することに成功。GRP78が細胞特性変化に関与することを解明しており、今回の研究にもこの知見が活かされるものと期待されます。また、今年春頃にはTN-cyclon™を用いた受託解析サービスの開始も予定されています。

東京医科大学は、大学病院に加え、茨城、八王子にも附属病院を展開し、地域医療にも貢献しています。今回の共同研究は、最先端技術と豊富な臨床経験を融合させた、画期的な成果を生み出す可能性を秘めています。今後の研究の進展に期待が高まります。

会社情報

会社名
株式会社BioPhenoMA
住所
東京都新宿区西早稲田1-22-3早稲田アントレプレナーシップセンター
電話番号

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