大和ハウスが新たに展開する「Module DPDC」とは
大和ハウス工業株式会社は、革新的なモジュール型データセンター「Module DPDC」の販売を2026年1月5日から開始します。この商品は、長年の工業化建築技術を駆使して開発され、データセンター市場のニーズに迅速に対応できる仕組みを整えています。
## データセンター需要の急増
最近の生成AIや通信インフラの発展により、クラウドコンピューティングの活用が拡大しています。そのため、データセンター(DC)の需要が急激に増加しています。しかし、現在のデータセンター開発は、首都圏や関西圏に集中しており、全国の約90%を占めているのが現実です。この状況は、地元でのデータセンターの展開を難しくしています。
大和ハウスは、このような現状を受け、日本政府が推進する「デジタル田園都市国家構想」に沿って、地方へのデータセンターの分散を進めています。この構想は、大規模災害への対応策やデジタル基盤の強化を目的とし、民間企業に対する補助金を通じて支援が行われています。
## モジュール型データセンターの特徴
「Module DPDC」は、日本データセンター協会(JDCC)が定める最高レベル「Tier4」の基準に基づき、耐震性を備えた鉄骨構造で設計されています。モジュールあたりの延床面積は約200㎡で、最小1,000㎡の土地からでも建設が可能です。これにより、災害時でも運用可能なデータセンターを提供します。
「Module DPDC」では、土地選定から建設までの全工程を一貫で行い、一般的なデータセンターの構築に比べて工期を大幅に短縮できます。契約から引き渡しまでの期間が約1年に短縮され、多様な目的でデータセンターを利用したい企業や研究機関にとって非常に便利です。
## オールインワンパッケージの提供
また、「Module DPDC」は、サーバーラック、電気設備、空調設備を含むオールインワンパッケージとして提供されるため、必要な設備を一度に手に入れることができます。サーバーラックや空調システムはモジュール単位での拡張が可能で、大容量のGPUサーバーにも対応できるため、柔軟なシステム構築が実現します。
## 今後の展開
大和ハウスは、継続的にデータセンターの工業化を進め、急速に増加するデータセンター需要に応じた柔軟な対応をしていく方針です。これによって、持続可能なデジタル社会の構築に貢献できると期待されています。
当社のデータセンター事業は、2020年に千葉県印西市で日本最大級の「DPDC印西パーク」の開発に着手し、急速に成長を遂げています。2022年には新ブランド「DPDC」を立ち上げ、さらなる市場拡大を図ります。
最後に、「Module DPDC」は全国(沖縄県を除く)で対応可能となり、今後の日本のデジタルインフラの重要な一部になることでしょう。国際的なデータセンター市場のトレンドに合わせた迅速なサービス提供に、期待が高まります。