日機装と東北大学の革新技術
日機装株式会社が国立大学法人東北大学との共同研究による新たな発見を発表しました。この研究成果は、2026年1月9日に国際学術誌「International Journal of Smart and Nano Materials」に掲載されました。主な研究内容は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の内部損傷を自立的に検知する手法を開発することです。
共同研究の背景
炭素繊維強化プラスチックは、その軽さと強度、剛性に優れた特性から、航空機、ロケット、人工衛星などの重要な部品に使用されています。しかし、この材料は内部の亀裂や剥離などの損傷が外部から視認しにくいため、検査には多大な時間と人手がかかるという次の課題を抱えています。この複雑な問題を解決するために、日機装と東北大学の成田史生教授および王真金助教を中心とした研究チームが2023年から共同研究を立ち上げました。
研究成果の概要
本研究では、新たに開発された自己発電材料が中心的な役割を果たしました。この技術は、振動を電気エネルギーに変換する鉛フリー圧電材料「ニオブ酸カリウムナトリウム(KNN)」をエポキシ樹脂に組み込むことで実現されました。この独自構造によりCFRPの損傷、特に亀裂の進行をリアルタイムで検知できる仕組みが整いました。
具体的には、この自己発電材料は無線送信機と組み合わせることで、CFRP内部の損傷を検知し、その情報を「電波送信間隔」という形で定量的に読み取ることが可能となりました。この技術は外部電源を一切必要とせず、材料自身から得られる力学的応答のみを基に損傷検知が行えます。これは、損傷の早期発見を促進し、安全性を大幅に向上させる結果となります。
将来への貢献
日機装は、航空機部品メーカーとして40年以上の経験を有しています。そのため、今回の研究成果は日々進化する航空宇宙分野における安全性の向上に寄与するものです。日機装は引き続き、大学や研究機関との共同研究を強化し、より安全で多様なモビリティの発展に貢献していく所存です。
論文の詳細
この研究に関する論文は、『From Vibration to Information: Self-Powered Crack Detection and Wireless Communication in Carbon Fiber Reinforced Piezoelectric Nanocomposites』というタイトルで、以下の著者によって発表されています。
- - Yuki Sueda
- - Zhenjin Wang* (責任著者)
- - Yaonan Yu
- - Yusuke Watanabe
- - Hoshiki Sato
- - Ryozo Ohiwa
- - Yu Shi
- - Hiroki Kurita
- - Fumio Narita
論文は2026年1月9日に掲載され、詳細は
こちらから確認できます。
会社情報
日機装株式会社は、1953年に創業し、東京都渋谷区に本社を構えています。産業用特殊ポンプや医療機器、航空機部品の製造・販売を行っており、技術革新に努めています。詳細な情報は
こちらの公式サイトをご覧ください。