新たな地域再生の扉を開く業務提携
2025年6月27日、東京都渋谷区で株式会社ジェクトワンと株式会社ガイアは、空き家再生と地域共生社会の構築を目指す業務提携を結びました。本提携は、今後深刻化するであろう空き家問題を根本的に解決するための新たな試みです。両社は、遊休資産を観光、福祉、農業と融合させた「分散型まちづくりモデル」の確立に挑みます。
空き家問題の現状
増加する空き家は、少子高齢化や景気低迷の影響で、地域社会に深刻な影響を及ぼしています。これらの空き家を「未来の資源」ととらえ、再利用することで地域に新たな価値を生み出すことが提携の目的です。ジェクトワンは「アキサポ」というサービスを通じて、空き家の買取、再生、利活用のサポートを行っています。
ガイアの取り組み
一方、ガイアは宮城県を中心に「ガイアリゾート」を運営し、宿泊施設や未利用地を再活用して地域の活性化に取り組んでいます。特に、「アルベルゴ・ディフーゾ」や「蔵王福祉の森構想」を通じて、まち全体を活性化させる活動を実践しています。この提携により、両社の強みを活かし合い、地域再生のモデルを構築していくことを目指します。
提携のステップ
提携は3つのステップに分かれて進行します。最初のステップでは、モデル地域「蔵王」において、ガイアリゾートが持つ空き家情報をアキサポが利用し、リノベーションを行います。再生された物件はガイアが宿泊施設として運営、その運営は「売る・貸す・運用する」と柔軟に展開されます。さらに、旧福祉施設などの大型物件は、地域コミュニティ機能を備えた施設として再生される予定です。
セカンドステップでは、すでにアキサポが稼働させている全国の物件について、ガイアが宿泊運用やブランディングの支援を行い、さらなる価値を加えます。今後再生が予定されている物件については、企画段階からガイアが参画し、地域の合意形成やプランニングまでの一貫した支援が行われます。
最後のステップでは、老朽化した旧リゾート施設や遊休別荘地を一体的に再生し、地域全体を一つの「生きた宿泊・生活・福祉空間」とすることが目指されています。
未来へのビジョン
ジェクトワンは、「空き家」を“AKIYA”へと転換し、暮らす人と訪れる人をつなぐ新たな交流拠点を創出することを目指します。また、ガイアはその理論に基づき地域資源を多方面に再生し、自己組織的に進化する地域社会の実現を推進しています。
本提携の締結式には、両社の経営陣が出席し、協力の意義を強調しました。本提携は、空き家問題を起点とした地方創生・共生社会実現のためのプロジェクトです。両社は今後、地域自治体や福祉事業者、観光事業者との連携を強め、全国的な「地域まるごと再生モデル」を実現していく考えです。これにより、日本の地域活性化に大きな効果をもたらすことが期待されます。