群馬県沼田市のシードルが国際賞を受賞
群馬県沼田市に拠点を構えるフキワレ・シードルリー・上州沼田シードル醸造株式会社が、この度スペインのアストゥリアスで開催されたシードルの国際品評会「Salon International Sidra de Gala」(略称SISGA)で、日本のシードルとして初めて最高賞のPremiumを受賞しました。これは日本のシードルブランドにとって大きな快挙であり、同社の品質が国際的に認知されたことを示しています。
この品評会は2011年から毎年開催され、フランスに次ぐシードルの本場としての名声を誇ります。会場には、世界中のシードル生産者が一堂に会し技を競い合う様子が見られ、非常に権威のあるイベントです。今回の受賞は、日本のシードル製造の可能性を広げ、多くの人々にその魅力を伝える絶好の機会を提供しています。
地元のリンゴから生まれたシードル
フキワレ・シードルリーが使用するリンゴは、すべて沼田市内の農家が育てた高品質な生食用リンゴです。国際的にはシードル専用の品種栽培が一般的ですが、同社は地域の農家が栽培するリンゴを活用し、地元経済を支える形でシードルを製造しています。
代表取締役の藤井達郎氏は「私たちが使用するリンゴは、廃棄予定のものを農家から譲り受けています。廃棄予定とは言え、最高品質にわずかに満たないだけで、シードル制造に適したスペックは十分に保たれています。私たちは、リンゴを廃棄することなく地元の資源を活用し、循環型経済と地域産業の振興を実現する三方よしの関係を築いています」と語ります。これにより、地域の農家は不要なリンゴを販売することで新たな利益を得る一方、同社は国際的に通用するシードルを提供することができるのです。
国際品評会の反響
受賞の知らせは、SISGA実行委員長のアンズ・フェルナンディ氏からも祝福されました。彼女は「フキワレ・シードルリーが21カ国のシードル生産者と競い合って掴んだこの成功は、若い醸造所が規模や歴史に依存せず、品質と情熱によって世界に挑戦できる姿を示しています」と述べました。また、日本のシードルが海外市場での認知度を高めるための素晴らしい機会に繋がることを期待しています。
受賞を祝うイベントも計画
受賞を記念して、フキワレ・シードルリーでは特別な試飲会を開催します。これはメディア関係者や飲食店経営者、酒類仕入れ担当者を対象としたもので、代表の藤井氏が経営する「Bar&Sidreria Eclpse First」(神田)で行われます。日時は2024年11月28日(木)の13時から17時まで。参加希望者は事前に申し込みが必要です。
受賞製品紹介
- - 沼田アップルドライ alc8%: 樹上完熟りんごを100%使用した辛口のシードル。食前酒としてはもちろん、揚げ物や洋食全般とも相性抜群。
- - 沼田アップルスウィート alc6%: 豊かな味わいの甘口シードル。デザートとの相性も良く、軽食にもぴったりです。
この受賞により、群馬県沼田市のシードルの魅力がさらに広がることが期待されています。