大学のキャリア教育
2024-12-20 11:25:59

大学におけるキャリア教育の現状と理想、学生支援の取り組みについて

大学におけるキャリア教育の現状と理想、学生支援の取り組みについて



大学におけるキャリアセンターの役割と、その学生支援に関する最近の調査結果が明らかになりました。この調査は、株式会社ベネッセ i-キャリアが実施したものであり、全国の大学277校を対象に実施されています。調査結果は、学生のキャリア観形成において、低学年からのアプローチが求められている現状を浮き彫りにしています。

1. 学生支援の実態と理想



調査によると、大学キャリアセンターが最も力を入れている時期は、就活本番となる3年生後期(97.8%)および4年生前期(89.9%)ですが、実際には低学年期、特に1年生や2年生からの取り組みが理想とされていることがわかりました。実際よりも理想の時期とされる段階に大きな乖離があり、大学の意向と学生の実態にはギャップが存在しています。

学生がキャリアについて真剣に考え始める時期は、大学によって異なるものの、7割以上の大学が低学年期からのキャリア形成を重視していると答えています。それにもかかわらず、実際に低学年で積極的に行動を始めている学生はわずか13%に過ぎません。この現実は、大学側が理想とする支援の早期スタートが達成されていないことを示しています。

2. 新たな支援プログラムの導入



この調査によると、73.6%の大学が2023年度から2024年度にかけて新たな学生支援プログラムを実施しているとのことです。特に、20人以上のキャリアセンター職員がいる大学では、90%以上が新たなプログラムを導入しています。この新しい取り組みには、キャリア教育講座や業界研究イベントなどが含まれ、学生のキャリアに対する認識を深めることが目的とされています。

さらに、大学の52.7%が学生を巻き込んだプログラム運営を行っていることから、実際のプログラム内容は学生の声を反映したものとなっていることが伺えます。このように、キャリアセンターの運営においては、学生の主体的な参加を促すことが重要視されています。

3. 大学が重視する評価基準



大学がキャリアセンターの運営において最も重視している点は、「学生の就職先に対する満足度」であり、これは36.8%と高い割合を示しています。これに続いて「就職数・率」が25.3%、「就職支援に対する学生の満足度」が21.3%という結果が得られました。さらに、企業が自大学の学生に求める評価基準においては、「人柄や性格」が最も重視されており、次いで「志望企業への熱意」が来ています。そのため、大学が求める学生の質には、学問的な専攻だけでなく、社会人としての基本的な資質も含まれていると言えます。

解説者の視点



まなぶとはたらくをつなぐ研究所の所長である小田桐一弘氏は、今回の調査結果から、早期のキャリア支援が学生の就職活動をより満足度の高いものにする鍵であると指摘しています。学生がキャリアについて真剣に考える機会を「点」としてではなく、大学生活全体を通じて「線」として提供することで、キャリア支援の質が向上し、学生が自らの能力や資質を見つめ直す手助けとなることが期待されます。

大学と学生の相互作用によって、より充実したキャリア教育が実現されることが望まれます。今後もこのような調査を通じて、学生支援の仕組みや方法が改善され、さらなる進展が図られることを願っています。


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会社情報

会社名
株式会社ベネッセホールディングス
住所
岡山県岡山市北区南方3-7-17
電話番号
086-225-1165

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