日本ゼオンが第20回高校化学グランドコンテストを特別協賛
日本ゼオン株式会社(東京都千代田区、本社:豊嶋哲也社長)は、昨年に続き「第20回高校化学グランドコンテスト」に特別協賛しました。このコンテストは、芝浦工業大学の主催で、高校生と高等専門学校生のための「学習研究活動」を支援することを目的としています。2004年から開催されており、若い科学者たちの探求活動を奨励し、科学的な創造力を育む場として重要な役割を果たしています。
ゼオンは本コンテストの趣旨に賛同し、2023年から特別協賛を行っています。そして、この取り組みの一環として、自社独自の視点で選考する「日本ゼオン・チャレンジ賞」を設け、福井県立藤島高等学校の研究チームに贈られました。これは、高濃度溶液における凝固点降下をテーマにした研究が評価された結果です。
コンテストの概要
「化学の甲子園」とも称されるこのコンテストは、最終選考会を10月25日から26日にかけて東京都で開催しました。全国から115チームが書類審査を通過し、100件のポスター発表と10件の口頭発表が行われました。2日間で900人以上が参加し、若き化学者たちの情熱的な発表が繰り広げられました。
このコンテストでは、学生たちが自主的に研究テーマを設定し、実験に取り組むことが求められます。ゼオンは今後もこのような取り組みを通じて、新しい世代を担う科学者の育成を支援し続けたいと考えています。
福井県立藤島高等学校の受賞コメント
受賞を受けた福井県立藤島高等学校の研究チームは、「凝固点降下」という理論が一般に「希薄」溶液の性質として知られていることに疑問を持ち、高濃度溶液におけるその特性について研究を進めました。研究の中では、温度測定や実験手法の確立に多くの苦労があったものの、仮説から新しい公式を作り上げることができたと話しています。
受賞に対し、彼らは「このような賞に選んでいただき心から感謝しています」とコメントを寄せました。この研究を通じて、彼らは学問が持つ探究心の大切さを再認識したようです。
日本ゼオンからの評価
受賞を決定したゼオンの審査委員長である坂本圭氏は、選考のポイントに「凝固点降下の論理式において、高濃度領域での実験値と計算値の差異を自ら検証したこと」を挙げました。また、通常避けられがちな「好ましくない情報」にも注目し、その原理を理解することが新たな発見につながる重要性を強調しています。
坂本氏は最後に、今後も疑問を持ち続けて研究を継続する姿勢を大切にしてほしいと若い研究者たちにエールを送りました。
日本ゼオンは、科学分野における人材育成のために、今後もこのような教育支援の場を提供していく意向を示しています。将来の科学者たちが、自由な発想を持ち続けながら成長していくことが期待されます。