横浜で始まった新プロジェクト、スマートバーチャルプロダクションとは

スマートバーチャルプロダクションプロジェクト始動

近年、映像制作の世界において、バーチャルプロダクション（VP）の重要性が高まっています。その中で、株式会社TREE Digital Studioとソニーピーシーエル株式会社が協力し、新たなプロジェクト「スマートバーチャルプロダクション」を横浜市で立ち上げました。このプロジェクトの狙いと特徴をご紹介します。

背景と目的

映画やCM、ミュージックビデオなどでVPの利用が増加する一方、様々なニーズが存在することも明らかになっています。特に「少人数での作業」「小規模な案件へのVPの導入」や「グラフィック撮影へのVP活用」など、多様なリクエストが寄せられています。しかし現在、多くのVPスタジオが大型の設備を必要とするため、コストや人員、スケジュールの制約がその利用を難しくしています。そこで、TREEはこの課題を解決すべく、新しいVPスタジオを開設しました。

スマートVPステージの特徴

横浜市のイエロースタジオに設置された「スマートVPステージ」は、TREEが持つ高品質なVFX技術を用いた新しいタイプのスタジオです。このスタジオでは、少人数による寄りショットやスチール撮影が可能で、特にソニーPCLの360°カメラカーを使用した背景と車両の撮影にも対応しています。これにより、小規模なプロジェクトでのVP撮影がより手軽に行えるようになるのです。

設備

このスタジオには、最新の設備が整っています。特に、ソニー製のLED画面（Crystal LED VERONAなど）は、超高精細な映像表示が可能です。例えば、正面にあるLEDは6.5メートル×3メートルのサイズを持ち、4,160×1,920ピクセルの解像度を誇ります。また、カメラにはソニー製のCinema Lineカメラ『FX9』が採用され、トラッキングシステムにはstYpe製のRedSpyが使用されています。これにより、撮影が行える環境が整備され、柔軟なプロデュースが可能となります。

TREE Digital Studioのビジョン

TREE Digital Studioは、映像だけでなく、CG、プログラミング、ポストプロダクションなど多岐にわたるコンテンツ制作を行っています。特に2023年6月に結成された「TREE VFX」チームは、CG映像制作から撮影、編集、ポスプロまでをワンストップで提供することで、クオリティの高いコンテンツ制作を実現しています。

今後の展望

今後も、TREE Digital Studioは多様化する制作ニーズに応え、技術の進化を取り入れながら、クリエイティビティを最大限に引き出す映像制作の新たなビジネスモデルを模索していきます。これにより、映像制作の自由度を広げ、より多くのクリエイターやクライアントに新しい体験を提供することを目指しています。