中高生のジェンダー意識調査2024:家庭や学校の影響を探る
2024年、公益社団法人ガールスカウト日本連盟が実施した『中学生・高校生のジェンダーに関する意識調査2024』の結果が発表されました。この調査では、家庭や学校などの日常的な環境が子どもたちのジェンダー意識や行動にどのように影響しているかに焦点を当てています。
調査の背景と目的
ガールスカウト日本連盟は、2019年から毎年「ジェンダーに関する意識調査」を行っており、今年は男女ともに中学生・高校生を対象に調査を実施しました。自らが日常生活でどのようなジェンダーバイアスを感じているのか、またそれに対する意識を広く社会に伝えることを目的としています。
隠れたカリキュラム
調査では「隠れたカリキュラム」という概念が重要視されており、これは家庭や学校での目に見えない影響を指します。具体的には、何気ない言動や態度が中高生の行動や考え方に影響を与えていることが明らかとなり、特に家族からの期待や制限が見受けられました。
主な調査結果
性別による影響
調査の結果、性別に基づく期待や制限を感じている中高生は多数存在し、特に高校生の方がその傾向が強いことがわかりました。女子は「しなくてよい」と言われることが多く、男子は「やらされた」と感じることが多いとの結果が出ています。
コミュニケーションの実態
自分の体調や変化について話せる相手として最も多いのは母親であり、中高生にとって家庭内でのコミュニケーションが重要であることが確認されました。しかし中には、誰にも話せない生徒もおり、その割合には注意が必要です。
性的嫌がらせの問題
性的嫌がらせを経験したことがある中高生の割合は、高校生が特に高い結果となり、中には年齢を重ねるにつれて悩みが増している生徒もいます。具体的な場所として、家庭や学校、公共の場があげられ、これらの環境がどれだけ深刻な問題を孕んでいるかを示しています。
自己肯定感の分析
自己肯定感に関する調査では、女子中学生や高校生の多くが自己肯定感を低く感じており、男子高校生が最も低い結果となりました。このデータから、自己評価が男女でかなり異なることが明らかになりました。
教師との関係性
教師が男女に対して平等に接していないと感じる生徒は約3割に上り、これは今後の教育の中で大きな課題となります。また、進路指導や役割についても不平等と感じている生徒がいることは改善が必要です。
メディアの影響
インターネットの利用に関する調査では、多くの生徒がネットの安全性を高く評価していますが、影響を受けやすいメディアとしてYouTubeやInstagramが挙げられ、これが高校生の意識形成にどのように寄与しているのか注視する必要があります。
まとめ
本調査は、中高生が抱えるジェンダーに関する多くの問題を浮き彫りにしました。家庭や学校といった場が、子どもたちの意識や行動にどのように影響しているのかが明確になり、これからの社会に向けてどのように改変していくべきかの指標となるでしょう。さらなるジェンダー平等に向けたアプローチが求められます。
ガールスカウト日本連盟は引き続き、教育や調査を通じて賢明で自立した女性の育成に邁進していく所存です。