白馬村の挑戦
2025-04-22 10:54:39

長野県白馬村で宿泊業を率いる若き社長の挑戦

長野県白馬村で宿泊業を率いる若き社長の挑戦



長野県白馬村にある有限会社ぴー坊の三代目社長、大塚栄青氏が、宿泊業界の後継者不足を克服すべく、新たな挑戦を続けています。この会社は創業38年の家族経営ペンションで、近年ではグランピングとサウナの併設施設に業態を変え、売上をなんと10倍にまで伸ばしました。次世代の観光地として生まれ変わる姿を見ていきましょう。

深刻な後継者不足



全国的に見ても、後継者不足は宿泊業界にとって大きな課題です。帝国データバンクの分析によると、長野県の企業の後継者不在率は54.1%にも上っています。特に旅館やホテルを経営する事業者の中では、「後継者問題が進まない」と感じているのが3割を超え、一部は廃業を視野に入れる事態となっています。長野県では特に高齢の経営者が多く、今後10年で事業承継のニーズは高まる一方です。若者が都市部に流出し、地元に残らない傾向が加速する中、持続可能な宿泊業を確保するための戦略が求められています。

白馬村での新たな取り組み



大塚栄青社長は、父親から受け継いだペンション「ぴー坊」を2019年に継承した後、新型コロナウイルスの影響を受け、観光業が厳しい状況に直面しました。それにもかかわらず、彼は「白馬村のために何かできることはないか?」と自問自答し、キャンプで体験した移動式サウナにインスパイアを受けます。そこで資金を調達し、グランピングとサウナを組み合わせた新たな施設「From P」を2021年にオープンしました。

この施設はペンションの裏に広がるテニスコートを利用し、サウナとグランピングの魅力を同時に楽しむことができます。この新業態が功を奏し、売上は着実に回復、いや、なんと10倍に達したのです。これは第3次サウナブームの影響もあり、特に若い世代の間で「サ活」や「サ旅」がブームになっているのも追い風となっています。

地域の魅力を再発見



大塚社長は地元経営者として、旅館業の厳しさも痛感しています。「地方の子どもたちは、親の後を継ぐことなく、都会へと流れていく。しかし、後継者選びこそが旅館業の未来を左右する」と警鐘を鳴らします。彼は、地域の魅力を発信し続けながら、新たな挑戦を続けていく姿勢を崩しません。2023年には7棟目のサウナ部屋が新たにオープンする予定です。

一方、大塚社長は「白馬村に戻りたいと思える場所」をつくることを目指しています。地域の魅力を再発見し、若者たちに戻ってきてもらうための努力を続ける意義を感じているのです。サウナ5棟、日帰り利用可能なサウナ2棟を含む新しい施設が4月20日にオープンする予定で、さらなる賑わいを呼ぶことが期待されています。

今後の展望



ぴー坊は、長野県白馬村の観光業として新しい価値を提供し続けています。地域の経済の活性化にも貢献しながら、サウナ文化を通じて人々とのつながりを深め、新たな宿泊体験を生み出しています。彼らの挑戦は、他の宿泊業者にとっても後継者育成の模範とならないでしょうか。これからの白馬村に注目です。


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会社情報

会社名
有限会社ぴー坊
住所
長野県北安曇郡白馬村北城3020-45
電話番号
0261-72-3780

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