日本生まれのパンダが中国に戻る理由とは
2025年6月20日、朝日新聞出版から発売される『語るパンダ 日本パンダ保護協会20周年誌』は、パンダに関する多角的な視点からの考察が詰まった一冊です。日本の上野動物園で生まれたシャンシャンが中国に戻る理由や、日本のパンダファンがどのように個体を見分けているかなど、パンダにまつわる疑問に挑む内容が展開されています。この本は、20年間にわたる日本パンダ保護協会の活動をまとめた集大成ともいえる作品です。
読みどころ
本書では、シャンシャンの誕生から中国への旅立ちまでの裏側を、上野動物園の専門家が寄稿したエピソードを通じて知ることができます。さらに、調査を通じて明らかにしたパンダファンたちの見分け方や、中国・臥龍にあるジャイアントパンダ保護研究センター研究員の初の邦訳論文も収録されています。
また、パンダの美術史について語る章では、「鳥獣人物戯画」にパンダがいたらどうなるのかを探求し、興味深い視点が提供されています。大昔にパンダがどのような食性を持っていたかを知るための古文献からの考察も興味深く、パンダの「保全」に関することも学ぶことができます。
目次
本書の目次には、シャンシャンの中国からの便りや、パンダへの思いの歴史に関する黒柳徹子の寄稿があります。さらに、以下の各章で具体的なテーマに分かれています:
- - アイドル化するパンダ
- - 研究されるパンダ
- - 文化に息づくパンダ
- - 社会に根づくパンダ
日本パンダ保護協会の役割
日本パンダ保護協会は2002年に設立され、パンダの保護活動とともにその文化的意義を広めるための組織です。主に海外でのパンダ保護を目的とした様々なイベントを行っており、その活動は多岐にわたります。これまでの努力がついに一冊の書籍として結実し、多くの人々にパンダの魅力を伝える機会となるでしょう。入会方法については公式サイトをご覧ください。
書籍詳細
- - タイトル: 語るパンダ 日本パンダ保護協会20周年誌
- - 定価: 2,750円(本体2500円+税10%)
- - 判型: A5変形
- - 頁数: 416ページ(巻頭口絵8ページを含む)
読者はこの本を通じて、愛らしいパンダたちがどのようにして文化や社会に影響を与えているのか、また保護活動の重要性について深く考える機会を得られることでしょう。ぜひ手に取って、パンダの世界をより身近に感じてみてください。