EVバッテリーの未来を変える保険設計技術の誕生

はじめに

電気自動車（EV）の普及が進む中、そのバッテリーの価値や性能評価が重要な課題となっています。特に中古車市場では、EVバッテリーの性能に対する不安がリセールバリューに影響を及ぼし、多くの消費者が購入を躊躇する要因となっています。

共同開発の背景

損害保険ジャパン株式会社と国立研究開発法人産業技術総合研究所、さらには産総研グループの株式会社AIST Solutionsが協力し、EVバッテリーの性能評価とその保険商品の設計技術を共同開発しました。中古市場や二次利用市場におけるバッテリーの残存価値を適切に評価するための新たな技術を提供することで、EVの普及を促進する狙いがあります。

新技術の概要

この新技術では、以下の三つの特長が強調されています。

1. 汎用性
バッテリー劣化の複雑なメカニズムを数式として定義し、種々の条件下でのバッテリー性能を科学的に分析。

2. 頑健性
個々のバッテリーのデータを活用し、劣化予測モデルをカスタマイズすることで高精度な予測が可能。

3. 合理性
保険数理との融合により、バッテリー使用状況に応じた最適な保険設計が実現できます。