ASDリスク児早期発見
2025-02-21 11:01:23

早稲田大学、ASDリスク児の早期発見に向けた新たな視覚スクリーニング法を発表

早稲田大学が発見したASDリスク児の早期発見法



自閉スペクトラム症(ASD)の早期発見は、早期支援につながる重要な課題です。最近、早稲田大学の大森幹真准教授が ASDリスク児に対する新しい早期スクリーニング方法を発表しました。この方法は、わずか2分間の動画観察に基づいており、子供たちの視覚的選好を利用するという斬新なアプローチをとっています。

研究の背景と目的



ASDの診断基準には、社会性の欠如や限定された反復的な行動様式が含まれています。特に「こだわり」という行動は、ASD児に見られる特徴的な現象ですが、これを視線機能と関連付けた研究はほとんど行われていませんでした。本研究は、日常生活の中で見られる「こだわり」が視線機能に影響を与える可能性を探ることを目的としています。

研究の進め方



この研究では、子供たちに二種類の動画を同時に見せました。ひとつは予測可能な一筆書き動画、もうひとつは予測不可能なランダム動画です。両方の動画を2分間、10秒ずつ続けて視聴させ、その際、子供たちがどれだけの時間を一筆書き動画に費やすかを測定しました。その結果、ASDリスク児は一筆書き動画を選好する傾向があることが明らかになりました。

社会的意義



この発見には、いくつかの社会的な意義があります。まず、研究面では、動きの予測がASDの診断基準に関連する可能性を示唆したことにより、ASDの理解が深まることが期待されます。次に、臨床的には、2分間という短時間で非言語的評価が可能であるため、低年齢の子供たちにも適用できる点が大きな利点です。そして社会的には、この方法がASDの早期発見に寄与し、適切な支援を実現する手助けとなることが期待されます。

研究者のコメント



大森准教授は、発達障害児への支援の専門家として、「早期発見の方法が増えることで、保護者や子供たちがより迅速に必要な支援を受けられるようになる」と述べています。今後の研究が、ASDリスク児を持つ家庭にとっての有用な情報源となることを期待しています。

まとめ



早稲田大学による新たな視覚スクリーニング法の発表は、ASDリスク児の早期発見に向けた重要な一歩です。この研究成果が広く知られることで、ASDの理解が深まり、早期支援がより一層進んでいくことを願っています。

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論文情報


  • - 雑誌名:Scientific Reports
  • - 論文名:Increased observation of predictable visual stimuli in children with potential autism spectrum disorder
  • - 著者名:大森幹真(早稲田大学)
  • - 掲載日時:2025年2月7日
  • - 掲載URLScientific Reports
  • - DOI10.1038/s41598-025-89171-1


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