豊島区の新たな取り組み
東京都豊島区にある大型複合施設、サンシャインシティで新たな障害者雇用モデルの実証実験が11月に始まります。このプロジェクトは、豊島区とサンシャインシティの間で結ばれた協定に基づくもので、障害者が実際に働ける場を提供し、地域の就労課題の解決を目指しています。
実証実験の背景
元々、障害のある方々が一般の職場に就く機会は少なく、就労の壁を乗り越えるための新たな雇用モデルを必要としています。今回の取り組みは、23区内で初めて民間企業がフィールドとなり、障害者が働く機会を創出するという点で大きな意義があります。サンシャインシティは365日、年間3,000万人以上の訪問客を迎える賑やかな施設であり、その環境を最大限に活用して挑戦的な雇用モデルに取り組むことは、地域にとってもプラスとなることが期待されています。
2つの雇用モデル
今回は2つの雇用モデルが実施されます。この研究プロジェクトには異なる障害理由がある方々が対象となり、それぞれに適した仕事を提供します。
1.
超短時間雇用モデル
対象は豊島区内の事業所に通う精神的・知的障害がある方々です。このモデルでは、対象者がサンシャインシティで1日30分から数時間、週あたり10時間未満で労働することができます。これは、長期間働くことが求められないため、働きやすい環境が整っています。
2.
遠隔操作型分身ロボット雇用モデル
こちらは特別支援学校に通う肢体不自由の生徒や、その地域の福祉施設に通う障害者を対象としています。当該モデルでは、遠隔地から分身ロボット「OriHime」を操作し、サンシャインシティ内での接客業務に従事します。これにより、自宅にいながら働く機会が提供され、交通手段の確保が難しい方々に新たな選択肢を示すことができます。
期待される成果
豊島区はこの実証実験の成果に基づき、次年度以降にさらなる就労支援の取り組みを区内に展開する計画です。成功したモデルは豊島区障害者就労支援センターで事業化を検討される予定で、新たな雇用機会を創出する基盤が形成される見込みです。このような取り組みが、障害者が自立し、地域で活躍する機会を広げ、高齢化社会における労働力不足の解決にも寄与することが期待されています。
総括
サンシャインシティでの新しいモデルの導入は、ただ単に障害者の雇用創出を目指すだけではなく、地域の共生社会の実現にも寄与します。今後、この実証実験が成果を挙げることで、豊島区が障害者にとって住みやすい、働きやすい環境を提供することになり、その結果地域全体の価値が向上することを期待しています。