TOPPANがSelinkoを買収
2024-10-30 15:46:55

TOPPANホールディングス、Selinko買収で欧州ラグジュアリー市場を強化

TOPPANホールディングスが、ベルギーのIoTソリューション企業Selinkoを2024年10月16日に買収した。この買収により、TOPPANはそのNFCタグ技術とSelinkoのID認証プラットフォームを融合させ、欧州のラグジュアリー市場での競争力を高める狙いを持っている。

Selinkoの概要


Selinkoは、主に欧州の高級ブランドや高級酒、化粧品業界を対象に、セキュアNFCタグを使用した真贋判定とID認証を提供してきた企業だ。これまでに30以上のラグジュアリーブランドにサービスを提供しており、特にNFCタグを用いた解析機能が評価されている。また、製品へのNFCタグの搭載は遅れていたが、近年はスマートフォンの普及により、利用が拡大している。TOPPANはこの技術を利用し、NFC・スマートパッケージ事業の促進を目指す。

経営戦略と背景


TOPPANグループは、中期経営計画において「Digital (DX) & Sustainable (SX) Transformation」を掲げ、グループ全体でDXを推進している。この方針のもと、TOPPANデジタルが中心となり、セキュアビジネスにおけるIoT技術の拡充を進めていた。背景として、欧州ラグジュアリー市場がデジタル化とEC・D2Cの進展に対応しつつも、偽造品増加や環境規制の課題に直面していることがある。これらの課題に対して、TOPPANの技術とSelinkoのプラットフォームは一つの解決策とみなされている。

期待されるシナジー効果


TOPPANはSelinkoによるID認証プラットフォームを活用し、NFCタグ技術との統合を進めることで、欧州を中心にラグジュアリー商品の真贋判定や所有者管理など、さまざまなニーズに対応する戦略を立てている。また、日本や中国、ASEAN市場にも事業を拡大し、2028年までに50億円の売上目標を掲げている。

Erhoeht-XⓇプログラム


TOPPANの「Erhoeht-XⓇ」は、デジタル革新を支援し、持続可能な未来を目指したコンセプトである。「エルヘート」の名称は、TOPPAN創業時の最先端印刷技術に由来し、デジタル技術と印刷技術を融合させることで新たな価値を提供していくことを目指している。これにより、TOPPANは国内外の市場での競争力を一層強化する。

このように、TOPPANホールディングスのSelinko買収は、欧州ラグジュアリー業界における存在感を増す重要な一手であり、今後の展開がいっそう期待される。


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会社情報

会社名
TOPPANホールディングス株式会社
住所
東京都文京区水道1-3-3
電話番号

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