商船三井、北米西岸で初のLNGバンカリングを実施
2024年3月1日、株式会社商船三井は、カナダのバンクーバー港で、邦船社として初めてLNG燃料供給を行うLNGバンカリングを実施しました。この取り組みは、環境保護の観点からも注目されており、LNG(液化天然ガス)を燃料とする自動車船へ初めての供給が実現しました。
LNGバンカリングとは?
LNGバンカリングは、船舶にLNG燃料を供給するプロセスを指します。商船三井が運航する「Lake Herman」に、カナダのSeaspan Energy Ltd.が保有するバンカリング船「Seaspan Garibaldi」からShip to Ship方式で燃料が供給されました。このような供給方式は、特に環境に配慮した取り組みとして現在注目を集めています。
北米西岸でのLNGバンカリングは、商船三井にとっては初の試みであるだけでなく、自動車船としては世界的にも初めての成功事例でもあります。これにより、同地域でのLNG燃料供給拠点の拡大が期待されます。
環境に優しい燃料の未来
商船三井は、2050年までにネットゼロ・エミッションを目指す取り組みを進めています。今回のLNGバンカリングは、その一環として位置づけられ、自社の「環境ビジョン2.2」に基づくクリーン代替燃料の導入戦略の一部です。
シースパンエナジーの社長、ハーリー・ペナー氏は、「Lake Hermanが北米西岸でバンカリングを受けた初の自動車船であることを誇りに思います」と語り、商船三井との協力関係の重要性を強調しました。
商船三井の燃料GX事業部の部長である漆谷氏も、LNGバンカリングの成功について喜びを表し、今後も北米西岸地域での他の港でも同様の取り組みを進めていく方針を示しました。
LNGバンカリングの利点
LNGを利用することにより、従来の燃料と比較してCO2排出量を大幅に削減することが可能です。また、硫黄酸化物や窒素酸化物の排出も抑制されるため、船舶運行の環境負荷を大きく低減できます。商船三井は、今回のバンカリングを通じて、よりクリーンな物流体制の実現に向けた一歩を踏み出しました。
商船三井グループは、今後も環境に優しい技術の革新を続け、持続可能な航運業界の構築に寄与していくことを目指しています。そして、クリーンなサプライチェーンの拡充は、環境への配慮だけでなく、企業の競争力向上にも寄与するでしょう。
今後の進展に期待が寄せられるこの取り組みは、地球環境保全の観点からも重要な意味を持つものになると考えられています。