株式会社FRONTEOは、第一三共株式会社と、創薬支援AI「Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」を活用した毒性情報の最適化および解析業務に関する契約を締結した。
FRONTEOは、第一三共の毒性試験データベースに、毒性解釈を簡便に確認できる仕組みを導入する。また、毒性試験報告書の解析を通じて、新たな知見やアイデアを発見するための探索AIシステムを構築する。
DDAIFは、FRONTEOが開発した特化型AI「KIBIT」の自然言語処理技術と独自の解析手法を駆使し、創薬開発を支援するサービスだ。DDAIFは、第一三共が保有する膨大な毒性試験報告書のテキスト情報とPubMedに掲載されている論文情報をKIBITで解析する。
解析結果に基づいて、毒性試験報告書と学術論文の関係性を網羅的かつ視覚的に把握できるマップやリストなどを提示する。これにより、従来想定されていなかった毒性情報の関係性や傾向を確認することが可能となり、毒性に対する新たなメカニズムの仮説生成につながることが期待される。
近年、膨大な文献情報から研究者が求める情報に効率的にアクセスするための技術や方法論に関する研究が進んでいる。しかし、既知の文献情報からの新しい発見は、研究者自身の発想力や偶然に依存しているのが現状だ。
FRONTEOは、KIBITを活用することで、既知の文献情報から記載のない未知の関連性の発見を科学的・体系的に実現可能とするDDAIFを展開し、製薬企業の革新的研究開発に貢献していくとしている。