ChatGPT活用が進む新卒就活、企業の意識変化はあるのか?
近年、学生の就職活動において、生成AIの利用が顕著に増加しています。株式会社i-plugが新卒オファー型就活サービス「OfferBox」を通じて実施した調査によれば、2026年卒の学生の86.9%がChatGPT等のAIを活用した経験があると回答したとのことです。この数値は、昨年の調査結果よりも26.4ポイント増加しており、学生たちにとってこの技術の利用がますます身近になっていることを示しています。
学生の活用実態
調査によると、ChatGPT等の生成AIを使った場面で最も多かったのは「就職活動」で、全体の63.0%がこれを活用したと答えました。また、大学の授業や課題におけるアイディア出しという場面でも50.5%が利用していることがわかりました。以前の調査と比較しても、全ての活用率が上昇しており、学生がこの技術に依存しつつあることが浮き彫りになっています。
特に就職活動においては、エントリーシートや履歴書の添削に際し、76.3%がChatGPTを使用したと答えており、面接対策にも48.1%がこの技術を取り入れていると報告されています。このように、学生たちは単に文を作成するだけでなく、選考対策としての活用にまで踏み込んでいることが見て取れます。
企業の反応
一方、企業側の調査結果はどうでしょうか。採用選考においてエントリーシートや履歴書の提出を求める企業は93.2%に上りますが、ChatGPT等のサービス利用に対する明確なスタンスを持っている企業はわずか2.1%にとどまりました。つまり、約半数の企業が学生のAI活用についてのガイドラインや判断基準を設けていないのが現状です。
企業からは「エントリーシートや履歴書にAIが使われているか否かを見極める対策を行っている」とはいいにくいのが実情で、もし面接等の対話で確認を行う際も、生成AIが使われやすい言葉遣いや文章だとブレが出やすいと指摘されています。特に、企業は学生自身の言葉を重視しているため、志望動機や自己PRをAIで簡単に作成することには懸念を示す声がある一方、誤字のチェックなどに活用することは好意的に受け止められています。
学生の将来の展望
今後、84.4%の学生がChatGPT等を「活用したい」と考えていることからも、このツールの重要性は増していくと考えられます。昨年の調査に比べ、「活用したくない」と答えた学生はわずか4.4%に過ぎず、自己表現のための道具としての価値が増していることが分かります。企業は今後、学生の技術活用を理解しつつ学生自身の言葉での自己表現ができるようにサポートしていく必要があるかもしれません。
まとめ
調査結果からは、生成AIの進化に伴う新卒就活における環境の変化が明らかになりました。学生は高度な技術を駆使し申し分ない品質の自己表現を試みている一方で、企業側にはしっかりとした対応策が求められます。今後は、企業と学生のマッチングがより円滑に進むためには、双方が理解し合い、共に成長していく必要性が高まっていくでしょう。これからの企業の採用活動に、AIがどう影響を与えるのか、注目が必要です。
調査概要
対象: 2026年卒業予定の学生、企業
期間: 2025年5月12日〜15日
方法: インターネット調査
学生の有効回答数: 563件
企業の有効回答数: 365件
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株式会社i-plugについて
代表者: 中野智哉
所在地: 大阪府大阪市淀川区西中島5-11-8セントアネックスビル3階
公式サイト:
i-plug
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