2025年の日本における人材採用とその課題に迫るアンケート結果

主要人材コンサルティング会社による2025年の人材採用調査結果

株式会社日本人材ニュース社が実施したアンケート調査の結果、2025年の人材需要と採用の状況が明らかになりました。本調査では、企業の人材採用を支援する複数のコンサルティング会社が対象となり、現代の雇用情勢を反映しています。

雇用情勢の展望

調査によると、66%の企業が2025年の雇用情勢は「良くなる・やや良くなる」と回答しています。特に注目すべきは、企業の人材採用数が新卒、中途、アルバイト・パート、派遣のいずれでも「増加・やや増加」という結果が出ている点です。この背景には、今後予測される2040年問題や、デジタルトランスフォーメーション（DX）に伴う人材需要の高まりが影響しています。

中でも中途採用の増加が顕著で、88%の企業が「増加・やや増加」と回答しています。格段に求められているのは、高度な専門性を持ち、企業の新たな課題解決に貢献できる人材です。具体的には、多言語対応や異文化理解に優れた経営層や、サプライチェーン管理に精通した人材、デジタル時代の事業変革を主導する中管理職以上の人材のニーズが高まっています。特にAIや自動化技術を活用できるエンジニアや健康課題に強い専門職も求められています。

新卒市場の現状

一方で、新卒市場では少子化の影響が顕在化しており、「進学率の上昇で補完されてきた少子化の影響がいよいよ表面化し、売り手市場化が加速する」との指摘があります。現在の学生は、成長できる職場環境を求めており、企業がその魅力をうまく伝えられない場合、採用は困難になることでしょう。

採用の課題と解決策

これまでの採用方針が通用しない現状に企業は直面しています。スキルや経験を持つ求職者が限られているため、需給のバランスが崩れ、企業文化や求める人材と求職者の期待にギャップが生じています。対策としては、外国人やシニア層の採用を検討する企業や、テレワークなど働き方の柔軟性を重視した取り組みが必要とされています。さらに、報酬制度の見直しや入社後のリスキリングの充実も求められています。

しかし、全社的な採用体制の構築や能力開発施策が進まない企業も多く見られます。人事部門だけでなく経営層との連携が不可欠とされる中、求める人材の条件緩和や就業環境の見直しについてなかなか変更が認められず、インハウスの人材のリスキリングも進まない状況が続いています。

各社のリーダーたちは、採用力の格差が拡大する中でも、求められる人材を確保するために創意工夫を凝らす必要があります。今後は、これらの課題を克服し、柔軟な対応力を備えた企業の働き方が求められるでしょう。