アカウミガメ研究
2025-10-02 11:16:07

アカウミガメのロストイヤーズ解明に向けた国際共同研究を始動

アカウミガメの謎に迫る国際共同研究



絶滅危惧種として知られるアカウミガメについて、国際的な共同研究が沖縄県伊江島沖で始まります。このプロジェクトは、特定非営利活動法人Sea Turtle Ecology Lab (STEL) が中心となり、アメリカのNPO法人Upwell Turtlesおよび沖縄美ら島財団と協力して実施されます。研究の目的は、謎めいた生態を持つアカウミガメの仔ガメに着目し、その生態を明らかにすることです。

ロストイヤーズの謎とは?



アカウミガメの生活史において、孵化から数年間の仔ガメの行動は「ロストイヤーズ」と呼ばれ、ほとんど情報が得られていません。この期間は、彼らがどのように海洋を回遊し成長するのかが謎に包まれており、生存率が低いとも考えられています。このロストイヤーズの解明が、ウミガメの保全にとって非常に重要です。近年、日本ではアカウミガメの産卵数が激減し、対策が急務とされています。

最先端技術の活用



本研究においては、小型衛星タグを使用し、仔ガメの移動経路や潜水行動をデータ取得します。このタグは、Lotek Wireless社とUpwellが共同開発したものであり、仔ガメ12個体に装着されます。この衛星タグは、仔ガメがどのように移動し、潜水するのかを追跡し、行動を解析するための強力な工具となります。

共同研究の意義



この調査は、昨年度実施された仔ガメの行動追跡研究の続編であり、成長に伴う動きの変化を明らかにする予定です。また、Upwellや沖縄美ら島財団との連携は、国際的にアカウミガメの保全策を進めるための重要なステップです。このような国境を越えた協力は、アカウミガメの保全だけでなく、海洋環境全体への理解を促進させることが期待されています。

期待される成果



今回の研究から得られるデータは、仔ガメの移動パターンや生息地選択などに関する貴重な知見を提供します。また、漁業やプラスチック汚染、船舶の影響といった人為的な脅威がウミガメに与える影響についての理解を深める助けとなるでしょう。最終的には、得られた知見をもとに効率的な保全戦略の構築に繋がることが期待されています。

特に、アカウミガメに関するデータは専門的な論文としてまとめ、広く公表される予定です。これにより、ウミガメの保全に寄与する活動が国内外で一層進展することが期待されます。

研究の透明性



本調査には、沖縄県海区漁業調整委員会の採捕承認や沖縄県の特別採捕許可を得たアカウミガメが使用されています。仔ガメは沖縄美ら海水族館で1年間育てられており、健康状態も確認されています。

まとめ



アカウミガメの研究は、未来の生態系における重要な一環であり、私たちが環境をより良く理解するための鍵となります。国際的な協力体制のもと、今後の研究に大きな期待が寄せられています。ウミガメの保存活動に興味のある方は、ぜひSTELや関連団体に関心を持っていただき、参加の検討をお願い致します。


画像1

画像2

画像3

会社情報

会社名
特定非営利活動法人Sea Turtle Ecology Lab
住所
神奈川県横浜市鶴見区市場上町10-3-206
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。