宮城県栗原市とLeave No Trace Japanの連携協定
2025年11月、宮城県栗原市と特定非営利活動法人Leave No Trace Japan(以下、LNTJ)は、環境に配慮したアウトドア活動の促進及び地域の環境保全、自然観光の健全発展を目的とした連携協定を結びました。これは栗原市が目指すユネスコの世界ジオパーク認定に向けた重要なステップです。
栗原市の持続可能な観光への取り組み
栗原市は、栗駒山麓を含む広大なジオパーク地域を有し、数年前からLNTの原則を使った持続可能な観光運営に取り組んできました。地域の紅葉期には観光客の集中が問題となっているため、LNTを導入し、具体的な対策を講じています。最近、栗原市は全県中最も多くの団体がLNTを利用している最前線の地域ともなり、この先進的な取り組みが評価されて、栗駒山麓ジオパークビジターセンターは2024年に国内で2例目となる「Leave No Trace Japan エリア拠点センター」に選出されることとなりました。
持続可能な観光運営の具体的な施策
この連携協定では、以下の4つの柱に基づいて持続可能な観光の推進が計画されています。
1.
地域人材の育成: 持続可能な観光運営を行うためのガイドや地域の専門家の育成に力を入れる。
2.
環境課題の可視化と対策の強化: 様々な環境問題、特に紅葉時期のオーバーユース問題に対する分散型対策を支援する。
3.
体験プログラムの開発支援: 修学旅行や研修旅行向けにカスタマイズしたプログラムの開発を助け、観光客に地域の魅力を体験してもらう。
4.
ユネスコ認定に向けた基盤整備: 世界ジオパークに向けての基盤整備を進め、地域資源を最大限に活用する。
LNTの理念と栗原市の魅力
Leave No Traceとは、環境への影響を最小限に抑えるための行動指針で、世界中で広く支持されています。この理念を早くから採用してきた栗原市では、優れたガイドや野外指導者が多く、環境保全の基盤が強固です。LNTJ代表理事の岡村泰斗氏は、「地域の力を最大限に活かし、自然資源を守りつつ新たな観光価値を創出する施策を推進します」とコメントしています。
栗原市の魅力と未来
栗原市は、自然環境だけでなく、農業や食文化も恵まれた場所です。大規模な合併により誕生したこの市は、住環境と自然環境が調和した地域として全国で高く評価されており、「住みたい田舎ランキング」で1位に選ばれた実績もあります。この美しい地域においてLNTの理念が活かされ、持続可能な観光が実現すれば、さらに多くの観光客が訪れることが期待されます。これからの栗原市が、環境保全を重視した持続可能な観光地として進化していく様子を注目したいと思います。