医師と乾癬患者のコミュニケーションギャップを調査
株式会社メディリードとNPO法人東京乾癬の会は、乾癬患者の医師とのコミュニケーションにおけるギャップを明らかにするための共同調査を実施しました。この調査は全国の乾癬患者198名を対象に行われ、医師と患者の間でどのような認識の違いが存在するのかを掘り下げました。
調査の背景
乾癬患者を対象にしたUPLIFT試験では、医師とのコミュニケーションに認識ギャップがあることが指摘されています。しかし、そのギャップは具体的にどのように具現化されているのかは十分に解明されていません。今回の調査は、これまでの研究とは異なる視点から、患者の解像度を高めることを目的としています。
調査は、株式会社メディリードの患者パネル「MMP(Medilead Marketplace)」を活用し、東京乾癬の会の協力を得て実施されました。調査対象は、乾癬と診断された上で、1年以内に通院歴のある患者で、処方薬を服用しているか光線療法・アダカラム治療を受けている方々です。
調査結果の概要
調査では、主に医師とのコミュニケーションの実施状況と患者の期待のギャップに焦点を当てました。以下の観点について深堀りが行われました:
1. 医師及び看護師・薬剤師が、基本的な処方薬の説明以外でどのようなコミュニケーションを行っているのか。
2. 患者が医師・看護師・薬剤師に対して何を期待しているのか。
3. 医師の実施内容と患者の期待との乖離具合。
4. どのようなコミュニケーションが患者による治療への「積極的評価」を引き出すのか。
調査結果から、患者は医師とのコミュニケーションにおいて多くの内容を期待していることが明らかになりましたが、実際にはその期待に応えられていない状況が多く存在しています。
積極的評価につながる要素
治療について「積極的に評価している」と回答した患者の多くは、医師とのコミュニケーションが実施されていると感じていることが見受けられました。特に、患者のモチベーションを維持するための項目において、医師のコミュニケーションが期待を上回ることが評価の向上に寄与していることが示されています。ただし、期待が大きいながらも実施されない内容も多くあり、患者による治療への評価は単に医師が期待に応えているかどうかだけでは決まらないことが分かりました。
具体的には、患者の期待が特に高かった「情報提供」においては期待と実施の差が大きかったものの、実際に評価に結びつく要因は「患者のモチベーションを高める」内容と密接に関連していました。
患者の期待とニーズの反映
調査は、医師との双方向のコミュニケーションが患者の治療評価において非常に重要であり、特に「親身に話を聞いてもらえている」と感じることが、患者の評価を左右することが明らかになりました。主治医との信頼関係の構築が患者の治療への前向きなスタンスを後押しする鍵であることが示唆されています。
この調査の結果は、今後の乾癬治療における医師と患者の間のコミュニケーション改善に寄与すると考えられます。同時に、医師側には患者のニーズに応えるための新たなアプローチが求められています。
会社情報
株式会社メディリード
- - 代表者:亀井 晋
- - 所在地:東京都新宿区
- - 設立:2015年4月
- - 主な事業:医療関連領域の調査・データ解析業務
- - 公式サイト
株式会社クロス・マーケティンググループ
- - 代表者:五十嵐 幹
- - 所在地:東京都新宿区
- - 設立:2013年6月
- - 主な事業:デジタルマーケティング、データマーケティング事業
- - 公式サイト