旭化成ファーマが新たなヘルスケアベンチャーを設立
旭化成ファーマ株式会社(以下、旭化成ファーマ)は、女性の健康に特化した新たな事業「Hers HeAlth Technologies Inc.」を設立することを発表しました。この新会社は、骨の健康を中心に据えたサービスを提供し、特に女性の生活の質(QOL)向上を目指します。
新たな骨ケア「Hers HeAlth」とは?
Hers HeAlthは、2024年に始まる骨密度検査のWebサービス「メディカルほねチェック」を基盤にした新たな事業展開を行います。この計画は骨粗鬆症予防を目的とし、検査を希望するユーザーと医療機関とを効率的にマッチングさせることを狙っています。これにより医療機関の利用が促進され、従来の方法よりもスムーズなサポートを提供することが期待されています。
設立の背景と社会的意義
旭化成ファーマは健康経営の一環として、骨密度検査の補助制度を2020年から導入し、特に骨粗鬆症のリスクが見られる女性を対象として、そのニーズを把握してきました。調査の結果、38~64歳の女性110名の約25%が骨密度の低下を示しており、早期の検診や予防策が重要であることが浮き彫りになりました。このような背景から、Hers HeAlthの設立が決定されたのです。
小さな一歩から大きな変化へ
新会社は、『Your Life. あなたらしい人生を。』というブランドスローガンを掲げ、顧客一人ひとりが自身の健康と美しさを保ちながら自分らしい人生を楽しむことを支援します。そのために、骨の健康を起点として、女性が年齢を重ねても美しく輝ける社会作りを目指しています。
経済的インパクトと持続可能な社会
骨粗鬆症による骨折は特に女性に多く見られ、その影響は経済にも大きくのしかかります。日本では、年間約12万人がこの病気に関連する骨折を経験し、医療費と介護費用の合計は約2~4兆円にも上るとされています。Hers HeAlthは、これらの問題に向き合い、“見過ごされがちな課題”へアプローチすることで、女性の健康と持続可能な社会を支える役割を担っています。
未来へのメッセージ
Hers HeAlthの代表である大黒聡氏は、日常生活の中で女性が直面する健康課題により多くの光を当て、新たなヘルスケアモデルを社会に提供していく考えを示しています。彼は「健康そのものではなく、その先にある『自分らしく生きる人生』の実現を目指す」と述べ、業界の枠を超えたコラボレーションの重要性を強調しています。
旭化成ファーマの青木社長も、病気を理由に夢を諦める人をゼロにするというビジョンのもと、Hers HeAlthの設立がその実現に寄与すると述べ、社会課題に対する積極的な姿勢を示しています。
まとめ
Hers HeAlthは、女性の健康と骨のケアに特化した新しいスタートを切りました。これにより、医療と日常生活の架け橋となり、女性の健康と美しさを支える社会の実現を目指しています。健康経営を推進する中で、骨の健康がもたらす幅広い影響を理解し、次の世代に引き継ぐための施策が求められています。Hers HeAlthの取り組みは、女性が自分らしく、美しく年齢を重ねるための重要な一歩であり、今後の展開に大きな期待が寄せられています。