贈答用焼菓子メーカーが調達DXを導入し競争力を強化
贈答用焼菓子を製造・販売する株式会社ちぼりホールディングスが、リーナーの調達DXシステムを導入した。これは原材料価格の高騰と激しい価格競争に立ち向かうための取り組みであり、見積り情報の属人化や非効率な比較作業の解消を目指したものである。
課題の背景
ちぼりホールディングスは、開発担当者に調達業務権限を分散させるという独自の組織体制を採用してきた。しかし、この形態は情報の属人化を招き、以下の課題に直面していた。
1.
見積り情報の属人化:重要な価格データが個人のメールや紙書類に留まり、正確な情報の参照や適正価格の判断が困難であった。
2.
相見積もりの非効率性:異なるフォーマットのために、サプライヤーごとの見積もり比較に、多大な時間を要していた。通常は1件あたり1〜2時間かかっていた。
3.
経験依存の判断:新任の担当者が過去の知見を活用できず、価格の妥当性を判断するのが難しい状況であった。
リーナー導入による効果
ちぼりホールディングスは「リーナー」を導入後、以下のような大きな成果を上げた。
1.
業務効率の大幅向上:見積もり比較時間が1件あたり1〜2時間から約30分に短縮され、業務の効率が飛躍的に向上した。
2.
負担の軽減:催促メールや不採用連絡を自動化することで、年間数十時間の削減を実現し、スタッフのストレスを軽減した。
3.
調達の透明性と交渉力強化:システムで属人的な情報が一元管理され、データに基づく価格交渉が可能となった。
4.
属人化の解消:過去の取引や価格推移が視覚化され、新任担当者でも妥当性を判断できる仕組みが整った。
今後の展開
ちぼりホールディングスは、調達データを基幹システムと連携させ、更なる効率化を図る計画であり、原材料や包材だけでなく、設備投資にも「リーナー」を活用する意向を示している。これにより、全社的な購買戦略を推進し、経営資源の最大限の活用を目指す。
このように、ちぼりホールディングスは調達のデジタル化を進め、競争力を一層強化していくことを目指している。