日本語版デジタルヘルス・リテラシー質問票の誕生
順天堂大学保健医療学部の研究チームが、国際的に認知されている『eHealth Literacy Questionnaire(eHLQ)』の日本語版を完成させました。この研究は、デンマークで開発された質問票を日本国内で活用するための重要なステップです。eHLQは、健康関連の情報をデジタル環境で適切に利用するための能力を測定するもので、世界の20カ国以上に翻訳されています。日本での調査は504人を対象に行われ、その信頼性と妥当性が確認されました。結果は、2025年11月にJournal of Medical Internet Researchに公開される予定です。
デジタルヘルスの重要性
デジタルヘルスは、安全で質の高い医療の提供を支えるために不可欠な技術です。特に最近では、スマートフォンや各種デバイスの進化により、健康状態の常時モニタリングやオンライン診察、病院の予約が増えています。しかし、日本は高齢化社会に直面しており、医療費の増加や医療資源の不足といった課題があります。その中でデジタルヘルスに対する期待が高まっており、人々が利用するための理想的なサービスを提供するためには、ユーザーの健康知識やデジタル技術に関するスキルを把握することが求められます。
eHLQの構造と調査結果
eHLQは、健康に関する概念を理解し、デジタルサービスを積極的に活用できる能力を評価する35問から構成されています。これにより、利用者のデジタルヘルス・リテラシーのレベルを把握することが可能になります。調査の結果、年齢やデジタルヘルスの利用頻度に応じたスコアの比較が行われ、高齢者も一定のデジタルヘルス・リテラシーがあることが示されました。特に、自己評価の健康状態が良い層は、高いスコアを示しました。
この研究から得られた知見は、特に高齢者向けのデジタルヘルスサービスの開発に対して、さらなる刺激を与えることが期待されます。加えて、現在のデジタルヘルスサービスが高いリテラシーを持つ利用者向けとなる傾向があるため、より多くのユーザーにアプローチできるサービスの提供が求められています。
今後の展望
日本語版eHLQの今後の使用は、健康やデジタルに関する知識やスキルだけでなく、サービス利用によるモチベーションを測ることにも繋がります。また、eHLQを用いた国際共同研究を通じ、国際的に重要な課題も明らかにしていく方針です。デジタル化が進む医療の現場において、高齢者が使いやすいデジタルサービスを提供するための研究が、ますます重要になってくるでしょう。これにより、全ての人が利用しやすい健康管理の実現に向けて進んでいくことが期待されます。