日本企業における生成AI導入状況とその課題とは

日本企業における生成AI導入状況とその課題

株式会社エクサウィザーズのグループ会社である株式会社Exa Enterprise AI（東京都港区、代表取締役：大植択真）は、30年以上の歴史を持ち、従業員300人を超える日本の大手企業に対し、生成AIの自社開発およびツール導入・活用の実態を調査しました。この調査では、410名の会社員からの回答を元に、生成AI導入の現状とそれに伴う課題を浮き彫りにしています。

調査結果の概要

調査結果によると、生成AIの自社開発には平均で約3,165万円が投じられていますが、ROIが高い企業はわずか17.6％にとどまっていることが明らかになりました。実用化に至らなかったAIプロジェクトが7割に達し、その後再開発に挑戦する企業はわずか2割で、開発の難易度が高いために成果が得られず、AI活用の意欲が失われている現状が浮き彫りになっています。また、システムが導入されても、6割以上の企業がプロンプトの共有メカニズムを持っていないため、利用促進の仕組みが不十分です。

SaaSツールの活用状況

SaaSツールに関しては、平均年間支払費用が1,445万円と比較的低いものの、導入後の活用度が低く、企業の潜在能力が十分に活かされていない実態が見えます。高いROIを達成した企業に共通しているのは、導入検討に時間をかけ、運用体制を整備している点です。

課題分析

1. 実用化の課題: 開発が困難であるため、実用化に至らないケースが多い。
2. 運用体制の不足: システムのアップデートや改修が不十分で、技術的な陳腐化が懸念される。
3. 情報共有の欠如: プロンプトの共有が行われず、利用されていない技術が多い。

これらの要因が相まって、AIエージェントやツールの導入の効果を十分に享受できていない状況が続いています。

施策と取り組みの重要性

Exa Enterprise AIの大植代表取締役は、企業がAIを活用して生産性を向上させるためには、いくつかの施策を講じる必要があると強調しています。具体的には、早期に法人向けのセキュリティやガバナンス対策がされたSaaSツールの導入を進め、重要な業務に積極的にAIを活用することが求められます。また、PDCAサイクルを回し、成果を見つめつつ改善を重ねることが重要です。

今後の展望

「exaBase 生成AI」は、国内市場シェア1位を獲得しており、約80,000ユーザーに利用されています。企業はAI技術の進化を受けて、自身の業務改革を進め、より効率的な運用を模索し続ける必要があります。今後もExa Enterprise AIとして、企業のAI活用を支援し、成長を促進するサービスの提供に努めていく所存です。

引き続き、これらの施策を通じて、生成AI技術の実用化に向けた取り組みが加速することを期待しています。