JCBとミャンマー軍の関係:人権団体が提起した疑念と沈黙
近年、日本のカード会社である株式会社JCBが、ミャンマーのクローニー銀行であるUABとの関係について、国際的な問題として注目を集めています。これは、ミャンマー軍による国際犯罪との関連性が指摘されていることから始まります。2024年6月、国連の特別報告者はUABをミャンマー軍に航空燃料を供給する金融機関の一つとして特定し、金融機関に対してその関係を凍結するよう求めました。
この問題の発端は、2021年2月1日の未遂クーデター以来、ミャンマーにおける事業活動を見直すべしという市民団体からの呼びかけです。「ジャスティス・フォー・ミャンマー」や「メコン・ウォッチ」を含む7つの市民団体は、JCBに対して人権デューデリジェンスの実施状況について問い合わせを行いましたが、現在までJCBからの回答は得られていません。
JCBの取引先UABとは
UABは、クローニー銀行として知られ、その存在はミャンマー軍との密接な関係にあるとされています。特に、国連特別報告者が指摘するように、UABはミャンマー軍の無差別空爆を助ける航空燃料を提供しているとのことです。このような状況下、国際的な社会からの圧力がかかっています。
国連報告者の警告
2024年6月には、国連特別報告者がミャンマー軍の戦争犯罪に対して、UABとの金融関係を見直す必要があると明言しました。特に、UABは軍政が行う無差別な空爆によって、多くの民間人が命を落としている現実に関与しているとされています。これにより、国際社会はJCBがUABとの関係を見直すべきとの声を強めており、それに対するJCBの沈黙が問題視されています。
市民団体の反発
市民団体は、JCBが人権デューデリジェンスを実施していないことを強く非難しています。特に、「メコン・ウォッチ」の木口由香氏は、JCBが国際的な人権基準を無視していることに懸念を示しています。おり、そもそも企業の透明性が問われる状況で、UABとの取引を継続する姿勢が問題視されています。
見えない関係と沈黙の影響
一方で、UABは国際的な制裁対象となるIGEグループとの関係も指摘されており、これがさらなる議論を引き起こしています。特に、UABの過去の経歴や関係者の動きが疑問視されており、国際的な信用が失墜する可能性も指摘されています。
JCBの反応は?
2025年11月時点でJCBは、市民団体からの質問には一切回答していない状況です。この沈黙が続く限り、JCBは国際社会からの信頼を失い、ミャンマーの人権問題に対して無関心でいると見なされるリスクが高まります。ミャンマーにおける軍政による人道的危機が広がる中、JCBには企業としての責任を果たす義務があると言えるでしょう。
まとめ
記者の私たちは、企業が自らの商業活動に関連する倫理的責任に対していかに向き合うかが問われていると感じています。JCBが直面することになるであろう批判に対し、迅速かつ誠実な対応が求められています。国際的な企業としての自覚が、今後の各国との信頼関係にどのように影響を与えるのか、注目されるところです。
会社情報
- 会社名
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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク
- 住所
- 東京都江東区清澄3-6-8
- 電話番号
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03-3820-5831