NVIDIAとIllumioが手を組む新たな挑戦
2023年10月、Illumio社は、米国カリフォルニア州に本社を構えるセキュリティ企業であり、サイバーリスクの封じ込めに特化した先進的なプラットフォームを提供しています。このたび、NVIDIAとの新たな提携を発表し、重要なインフラストラクチャを運用する組織におけるゼロトラスト体制の強化を促進することを目的としています。
重要なインフラストラクチャの防御
両社は、NVIDIAの「BlueFieldネットワーキングプラットフォーム」とIllumioの侵害封じ込めソリューションを融合させることで、IT(情報技術)とOT(運用技術)を統合した環境において、高度なセキュリティを確保しつつ効率的な運用を実現することができます。これにより、ネットワークの依存関係を可視化し、ホストおよびネットワークレベルでの精緻なセキュリティ制御を実現します。
NVIDIA BlueFieldを通じて、Illumioのプラットフォームをデプロイすることで、企業はトラフィックの詳細を可視化し、重要な資産を保護するための優れたゼロトラスト施策を実行できるようになります。これにより、運用の継続性を確保し、厳しいコンプライアンス要件への対応も容易になります。
AIによる脅威検出の強化
将来的には、AIを活用した「Illumio Insights」を用いることで、攻撃者のパターンやリスクを特定し、ICS(産業用制御システム)やOT環境における脅威を迅速に検出できる見通しです。これは、グローバルな規模で脅威が増大している今、必要不可欠な施策となります。
提携による具体的なメリット
この提携により企業にとって期待される具体的なメリットは以下の通りです:
1.
トラフィックの視覚化とポリシー適用:NVIDIA BlueFieldに搭載されたOTシステムが送受信するデータのトラフィックを視覚化し、Illumioの柔軟なラベリングにより、通信の可視性を高め、理解を深めることができます。
2.
ゼロトラストセキュリティの迅速導入:OT環境にゼロトラストのセグメンテーションを容易に適用でき、デプロイの複雑さが軽減されます。さらに、ラテラルムーブメント(内部の水平移動)によるリスクを低減し、侵害を防ぎます。
3.
コンプライアンスと運用レジリエンスの向上:ITとOTの統合環境で資産や脅威を特定・トラフィックを監視しながらセキュリティポリシーの適用が可能となり、システムパフォーマンスに影響を与えず、アーキテクチャを再編成する必要もありません。
関係者のコメント
この提携に関し、Illumioのトッド・パーマー副社長は次のようにコメントを寄せました。「IllumioとNVIDIAの連携により、サイバー環境の安全が飛躍的に向上し、私たちが抱く『サイバー災害のない世界』への実現が近付くと信じています。」
NVIDIAのオフィル・アーキン氏も「インフラストラクチャへのサイバー攻撃が巧妙かつ破壊的になっている中で、私たちの新しいプラットフォームの統合により、ネッwork全体での可視性、制御性の向上を目指しています。」と述べています。
Illumioについて
Illumioは、サイバー攻撃の封じ込めに特化したプラットフォームで知られており、Forrester Wave™によってもリーダーとして認定されています。ハイブリッドやマルチクラウド環境においても脅威を即座に発見し、封じ込める能力を持つことが注目されています。企業がリスクを特定し、ゼロトラスト戦略を実現するための強力なパートナーとなるでしょう。