アルナイラム、アムヴトラ®で心アミロイドーシス治療の新たな可能性を示す
アルナイラム、アムヴトラ®の新承認
アルナイラム株式会社がトランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)治療薬の適応追加承認を取得し、アムヴトラ®(一般名:ブトリシランナトリウム)が新たな治療選択肢として期待されています。この治療薬は、心筋に沈着するタンパク質の産生を抑えることにより、病気の根本にアプローチすることを目指しています。
ATTR-CMとは?
ATTR-CMは、肝臓で生成されるトランスサイレチン(TTR)がアミロイド物質として心筋に蓄積することによって引き起こされる進行性疾患です。心不全を引き起こすことがあり、早期診断の重要性が認識されています。しかし、未診断の患者が多い現状があり、特に高齢化が進む日本では今後、患者数が増加する可能性があります。
アムヴトラの効果
アムヴトラは、RNA干渉(RNAi)の技術を用いてTTRの産生を抑制します。第Ⅲ相臨床試験HELIOS-Bにおいて、655名の患者を対象とし、全体的な死亡リスクや心血管関連イベントの減少が確認されました。この試験の結果は2024年8月に欧州心臓病学会で発表され、『The New England Journal of Medicine』にも掲載される予定です。
アムヴトラは、主要評価項目を達成し、全死因死亡および再発性心血管関連イベントのリスクを有意に減少させたことが特徴です。具体的には、全死因死亡リスクは31%から36%まで減少し、特に単剤投与の患者群で33%の減少が確認されています。また、臨床的指標においてもプラセボ投与群と比較して有意な効果を示しました。
安全性と忍容性
アムヴトラは、既存の薬剤プロファイルと一致する許容可能な安全性を示しました。有害事象の発現頻度については、アムヴトラ投与群とプラセボ投与群で大きな差がなかったことが報告されています。心関連の有害事象も同程度で、治療の安全性が確保されています。
アムヴトラを巡る今後の展望
厚生労働省から希少疾病用医薬品として認定されたアムヴトラは、2025年には米国食品医薬品局(FDA)や欧州委員会(EC)からも承認を受ける見込みです。これにより、国際的にATTR-CM治療の新たな選択肢として評価されることが期待されています。
アムヴトラの導入により、これまで選択肢が限られていたATTR-CM患者に対し、新たな希望を提供することが可能となります。アルナイラム社は、これからも進行する実治療の現場において、患者さんに寄り添った医療を提供することを目指していくとしています。
今後の展開にぜひ注目していきましょう。
会社情報
- 会社名
-
Alnylam Japan株式会社
- 住所
- 東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリープレイス丸の内11階
- 電話番号
-
03-6629-6200