レゾナック、初の防災・減災×サステナブル大賞受賞
株式会社レゾナックが、一般社団法人減災サステナブル技術協会が主催する『防災・減災×サステナブル大賞2025』において、最優秀賞を初めて受賞しました。この賞は、レジリエンス性やサステナビリティ、SDGsへの貢献度を評価するもので、今回の受賞理由には、川崎市と共同で行っている海洋プラスチックごみのケミカルリサイクル実証実験が高く評価されたことが大きな要因です。
このプロジェクトは、2024年5月から始まった実証実験で、川崎港の海面清掃で回収されたプラスチックごみを用いて、プラスチックケミカルリサイクル(KPR)を行っています。KPRとは、使用済みプラスチックを高温でガス化し、水素や炭酸ガスを取り出す技術。これは、化石燃料を用いずに資源を再生する取り組みであり、特に脱炭素社会の実現に向けた重要なステップとされています。
受賞理由と評価
レゾナックの受賞理由は、「官民協力により、これまで再資源化が難しかった海洋プラスチックを利用価値の高い化学薬品やガスへとリサイクルし、化石燃料の削減に寄与する内容が評価された」ことです。また、このプラリサイクルプラントは、企業や学校、公的機関などの見学を受け入れ、普及活動にも積極的に取り組んでいる点が高く評価されています。
表彰式では、レゾナックの小林慎基礎化学品事業部化成品部長、減災サステナブル技術協会の浅沼博会長、川崎市の山本隆之廃棄物政策担当部長が出席し、この快挙を祝しました。
サステナビリティへの取り組み
レゾナックは、企業の経営理念の中心にサステナビリティを据えており、持続可能な循環型社会の実現を目指しています。2003年から推進しているKPR事業は、世界で唯一の安定運転を続けるガス化ケミカルプラントとして注目されています。2025年からは、使用済みプラスチックや繊維の循環型事業モデル『CirculaC』を立ち上げ、より広範な資源循環を目指します。これにより、カーボンニュートラルの実現に向けた協力体制を強化し、持続可能な資源活用に向けた道筋をつけていきます。
受賞は単なる成果の一つに過ぎないとレゾナックは考えており、今後もSDGsに貢献するための新たな取り組みを継続し、より一層の成果を上げていく所存です。
プラスチックケミカルリサイクル事業(KPR)について
KPRでは、使用済みプラスチックを原料にすることで、高温でガス化し分子レベルまで分解、その過程で水素と炭酸ガスが取り出されます。この水素は、川崎市内のホテルにおける燃料電池発電に利用されており、また、アンモニアの原料としても広く使用されています。昨年には、累計で100万トン以上のプラスチックを処理した実績があります。この取り組みは、温室効果ガスの排出を80%削減することができ、環境にも優しいものです。
これからもレゾナックは、地域社会との協力を深めながら、持続可能な未来を築くための活動を続けていきます。