富山大学とキュアコードが開発した記憶力改善アプリ『Statice』
近年、医療やヘルスケアの分野で注目を集めるテクノロジーが続々登場していますが、その中でも特に話題となっているのが、富山大学とキュアコード株式会社が共同開発したスマートフォンアプリ『Statice(スターチス)』です。なんと、このアプリは有酸素運動を通じて記憶力の向上を目指し、最近特許も取得しました。
記憶力改善のカギ「エピソード記憶」
『Statice』の特徴は、長期記憶の一部である「エピソード記憶」にフォーカスしている点です。エピソード記憶とは、自身の体験に伴った時間や場所、感情などに基づく記憶を指します。加齢に伴い、この記憶能力が減少することが多く、現代社会においては生涯現役を目指すために、認知機能の維持・改善が求められています。それを実現するのが、今回のアプリなのです。
運動と記憶力の相関関係
アプリ『Statice』は、単なる記憶テストにとどまらず、運動との組み合わせによって記憶の定着を促進します。具体的には、画像や音声を使った記憶テストを行うと同時に、軽い有酸素運動を実施します。これにより、脳が活性化され、記憶力UPが期待できるのです。
また、ユーザーの年齢や心拍数に基づいて、適切な運動強度が自動的に指示される仕組みも魅力の一つ。ウェアラブルデバイスとの連携によって、リアルタイムで運動の効果をモニタリングします。運動を通じて、さらなる記憶の定着を図れるという点で、非常に革新的です。
特許がもたらす新たな可能性
今回の特許取得(特許第7583773号)によって、記憶力改善に向けたシステムとしての信頼性がより一層高まりました。取得した特許内容には、次のような画期的な技術が含まれています。
1.
二段階の記憶テスト方式
- 学習セッションで覚えた情報を、時間を置いて再確認。
2.
有酸素運動による記憶定着の促進
- 個々の状態に応じて最適な運動を導き出し、記憶の定着を手助け。
3.
最適環境の提供
- 騒音レベルなどを測定し、集中できる環境を提案します。
4.
効率的な記憶トレーニング
- ユーザーの進捗に応じた段階的なトレーニングを提供。
これらの機能が融合することで、高齢者だけでなく若年層の記憶力維持・改善にも寄与することが期待されており、特に超高齢社会において重要な役割を果たす可能性があります。
結論
今後も『Statice』の発展が楽しみであり、医療現場にて認知機能の維持・改善に寄与することが期待されています。特許を取得したこの技術によって、多くの人々が記憶力を向上させ、より充実した生活を送れることを願っています。アプリの詳細については、キュアコード株式会社の公式ウェブサイトで確認できます。
キュアコード株式会社公式サイト
会社情報
キュアコード株式会社は、2011年に設立されたヘルステック分野のITベンチャーです。医療・介護・健康関連のアプリやシステムを一貫して開発・運営しており、自治体や研究機関との連携も推進しています。
住所:富山県富山市総曲輪一丁目5番24号 リアライズ富山城址公園5F
代表者:土田史高