グッドデザイン賞受賞「カーザベルジ」
2023-10-06 16:55:58

相続と空き家問題を解決!グッドデザイン賞受賞の建築プロジェクト「カーザベルジ」が示す新しいカタチ

相続と空き家問題、建築で解決!グッドデザイン賞を受賞した「カーザベルジ」



東京都新宿区にある旗竿敷地の相続を円満に行うため、4人の被相続人とキノアーキテクツが共同で手がけた5軒長屋プロジェクト「カーザベルジ」。このプロジェクトは、2023年度グッドデザイン賞を受賞しました。

「カーザベルジ」では、4人兄弟姉妹が相続を迎える前に、法人を設立し、事業ローンを組んで集合住宅を建設しました。家賃収入でローンを返済しながら、株式で間接的に不動産を保有することで、相続を円滑に行う仕組みを実現しています。

なぜ「カーザベルジ」は注目されているのか?



近年、都心部では地価が上昇し続けており、若い世代が住居を確保することが困難になっています。一方で、少子高齢化の影響で空き家が増加し、社会問題化しています。

「カーザベルジ」は、こうした問題に対する一つの解決策を示しています。相続によって資産の移転が阻害される現状を打破し、次世代へ資産をスムーズに受け継ぐことができる仕組みを構築したのです。

「カーザベルジ」の設計ポイント



「カーザベルジ」は、単に家を建てるだけでなく、相続、空き家、そして住環境という複数の課題を解決するために、細部にまでこだわって設計されています。

父母の住戸は、土地を見守ってきた大きな赤松を避けるように南東角に配置
4人兄弟姉妹の住戸は、平等に短冊状に配置
大きな庇が5つの住戸をつなぎ、北側に玄関アプローチ、南側に庭とテラスを形成
雨露をしのぐ軒下は住民の往来を生み出し、程よい距離感を保つ

これらの設計によって、住み心地の良さだけでなく、家族や地域とのつながりを育む空間が実現しています。

グッドデザイン賞審査委員の評価



審査委員は、「カーザベルジ」が誰もが経験する可能性のある相続という問題に対して、画期的な解決策を提供している点を高く評価しました。

「自分たち自身が建てたい建築を自分たちで建てる」という視点は、従来の相続における賃貸住宅建設とは一線を画し、審査委員一同の共感を集めました。

キノアーキテクツ束野由佳氏コメント



「カーザベルジ」を設計したキノアーキテクツの束野由佳氏は、若い世代が不動産利用を自分事として捉え、土地の記憶を継承していくことの大切さを強調しています。

「カーザベルジ」は、相続と空き家問題という社会課題に対して、建築という手段で具体的な解決策を示した革新的なプロジェクトです。今後、多くの人の参考になることを期待しています。

会社情報

会社名
株式会社キノアーキテクツ
住所
東京都新宿区下落合2ー25ー9
電話番号
03-6882-9705

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