移住促進の新たなアプローチ
2025年11月、東京都で開催された「多摩島しょ移住・定住促進つながりネットワーク会議」では、一般社団法人自治体DX推進協議会(GDX)から笠門浩一郎氏が登壇し、移住促進における官民連携とデジタル化の重要性についての講演を行いました。この会議は東京都や市町村、民間企業が一体となり、地域への移住を促進し、住民の関係人口を増やすことを目的としています。
全国調査から見えた現実
笠門氏はGDXが実施した全国343自治体を対象とした調査を基に、移住に関する統計データを発表しました。このデータでは、年間の移住相談件数の中央値が47件に対し、実際の移住者数は中央値15人と顕著な乖離があることが示されています。この結果から、移住希望者と実際の移住者を結びつける「転換率」を向上させることの重要性が強調されました。
アナログな管理からの脱却
多くの自治体は移住相談をExcelで管理するなど、アナログな方法をとっています。しかし、この手法では情報の共有が難しく、管理していない自治体も15%以上存在することが明らかとなりました。笠門氏は、記録を一元管理し、利便性を高めるためにCRMシステムの導入が必要であると述べ、効率的なフォローアップの仕組み作りの重要性を訴えました。
SNS活用のチャンス
情報発信においては、SNSの活用への関心が高いものの、実際に行動に移す自治体は限定的です。約4割の自治体担当者がSNS活用を強化したいと考えており、笠門氏は、「今がチャンスであり、実際に試みることで課題が整理される」と指摘しました。デジタルシフトは地域活性化に繋がる可能性を秘めています。
官民連携の実例
笠門氏は、宮崎市の「サーフィン移住」を例に挙げ、地域の強みを生かした移住促進の事例を紹介しました。民間企業が柔軟な働き方を提供し、移住の促進と地域の人手不足解消の両立を目指す取り組みは新たなモデルとして興味深いものです。さらに、与論島での「空き家サブリース事業」や「労働力シェアリング」のような、地域一体での取り組みが地域の課題を解決する糸口となっています。
多様な人材の巻き込み
講演の締めくくりとして、笠門氏はリモートワークの普及により多様な働き方が可能になった今、外部の視点を取り入れながら地域の強みを見つめ直し、多様な人材を巻き込むことの重要性を訴えました。地方自治体がアナログからデジタルへと移行し、活気ある地域作りを推進するための指針を示したこの講演は、地域の未来を考える上で貴重な機会となったのです。
まとめ
GDXは、自治体のデジタルトランスフォーメーションを推進し、地域の持続可能な発展を目指しています。地域課題の解決に向けて、各自治体と連携し、デジタル技術の活用によるイノベーションの創出を支援しています。興味のある方はぜひGDXにお問い合わせください。