三姉妹が守る200年の伝統、奈良の新クラフト茶ブランド「茶ノ吉」
奈良県吉野郡大淀町では、江戸時代から続く茶農家、「嘉兵衛本舗」が新たにクラフト茶ブランド「茶ノ吉」を立ち上げ、その販売を2025年11月5日に開始します。代表の森本正次氏からベルの厳しい環境の中、三姉妹へ事業承継が行われ、彼女たちがこの新ブランドを担うこととなりました。
「茶ノ吉」の誕生背景
日本の茶業は現在、深刻な担い手不足と高齢化が課題となっており、特に奈良の吉野地域でも茶農家の数はわずか数軒にまで減少しています。そうした中で、「茶ノ吉」は独自の工夫を凝らした新ブランドとして誕生しました。このブランドは、農家が持つ「後加工」の技術を生かし、収穫と製茶の時期を分散させることで、労働時間の偏在性を改善し、持続可能な茶業の形を目指しています。
三姉妹は、父が無理なく茶づくりに関わるように工夫した結果、家業に積極的に戻るようになり、これを機に製茶の全工程を体験しました。こうした家族の絆を活かした取り組みが、このブランドの礎となっています。
クラフト茶の魅力
「茶ノ吉」のコンセプトは、「いつでも季節の旬が味わえる、手間暇かけてつくるクラフト茶」です。茶葉の栽培は四季に基づいて行われ、農家がその季節に最も適した手法で茶葉を仕立て上げていく姿勢が見受けられます。この手作りのアプローチは、単なる飲み物としての茶を超え、まさにアートとも言える体験を提供します。
発売予定商品のラインナップ
デビュー時のラインナップには、釜炒り煎茶や和紅茶、烏龍茶などが揃っており、各商品は手間暇かけた製法で作られています。特に釜炒り煎茶は、茶葉を直接釜で炒るという伝統製法を用いた香ばしい一品で、和紅茶は、希少な「おくみどり」を使用し、花のような香りが魅力です。
- - 和紅茶: 1,850円、20g、やさしい甘みで花のような香りが特徴
- - 釜炒り煎茶: 1,850円、20g、香ばしさの飽きがない味わい
- - 烏龍茶: 1,850円、20g、強めの焙煎が特徴の半発酵茶
これらの茶葉は全て手作業で細心の注意を払って作られており、茶の個性を最大限に引き出しています。今後は季節に応じて商品のラインナップを拡充し、多様なお茶の楽しみ方を提案していく予定です。
持続可能な未来を目指して
「茶ノ吉」は、単に茶を販売するだけでなく、地域の茶業の持続可能性に寄与することを目指しています。働き方の変革や新たな収益モデルの提案を通じて、地域の茶農家全体の未来を明るく照らす存在へと成長することを期待しています。お茶を愛する全ての人々に、「吉の茶」として親しまれることを目指す三姉妹の情熱に、ぜひご注目ください。
これからの展開に期待が高まる「茶ノ吉」。新たな茶の風味を楽しむために、ぜひ手に取ってみてください。