東洋大学のログインシステム改革
2023年、東洋大学は認証基盤としてアクシオの「SeciossLink」を導入しました。この改革の主な目的は、学生約3万人が安全かつ快適にアクセスできるオンライン環境を整え、セキュリティを強化することでした。これにより、大量アクセス時の安定性を確保し、運用の改善を図ることができました。
大量アクセス時の安定運用
導入以前は、従来のシングルサインオン(SSO)環境において、大量の同時アクセスが発生すると、サーバに高い負荷がかかり、一時的にログインできないという問題が発生しました。特に試験や課題提出期限が近づくと、その影響は顕著でした。しかし、「SeciossLink」を導入した後、学生からのアクセスが集中してもログインできる安定した運用が実現しました。この成果は、特に学生にとっては大きな利点であり、安心してオンライン学習や掲示物の確認を行える環境が整いました。
運用の効率化
また、従来のオンプレミス運用では、パッチの適用や年1回の計画停電時にはクラウドサービスの利用も停止してしまうなどの運用面での課題がありました。これに伴い、トラブル発生時に専門的な知識が求められる場面も多く、担当者にとっては負担が大きいものでした。「SeciossLink」の導入によって、これらのサーバ保守が不要となり、ログの確認もグラフィカルなインターフェース上で可能になりました。これにより運用の手間が大幅に軽減され、利便性が向上しました。
セキュリティの強化
従来のシステムでは、IDとパスワードのみのログイン方式であったため、情報漏えいや不正アクセスのリスクがありました。そこで、「SeciossLink」の導入後は、多要素認証の仕組みを取り入れることによってセキュリティを強化しました。具体的には、メールでのワンタイムパスワードやスマートデバイスによる認証などを組み合わせ、より強力な認証体制を構築しました。このセキュリティ面での向上は、学生個々の情報を守るためにも非常に重要なステップとなっています。
「SeciossLink」とは?
「SeciossLink」は、クラウドベースの総合ID管理・認証・アクセス制御サービスです。IDの新規発行や変更、削除に関するライフサイクル管理を自動化し、従来の複雑なプロセスを大幅に効率化します。また、Google WorkspaceやMicrosoft 365などの外部システムとの連携も可能で、一元的に管理できるため、ユーザーは一回のログインで複数のサービスにアクセスできる利便性を享受できます。さらに、多要素認証機能を柔軟に組み合わせることで、ユーザーごとに最適化された安全な環境を提供しています。
東洋大学の教育理念
東洋大学は1887年に創設され、長い歴史と伝統を持つ私立の総合大学です。「学問の基盤は哲学である」「独立自活」「知徳兼全」という建学の理念のもと、4つのキャンパスにおいて多様な学科が運営されています。学生は3万人以上に達し、国際交流やキャリア支援、教育デジタルトランスフォーメーション(DX)に力を入れ、社会で活躍できる人材の育成に取り組んでいます。今回の「SeciossLink」の導入も、この教育改革の一環として、学びやすい環境の整備を目指しています。
この取り組みにより、東洋大学の学生は、より快適で安全な学びの場を手に入れることができたのです。これからも進化していく「SeciossLink」を活用し、より一層の学びを促進してほしいと思います。